○消防地水利に関する規程
昭和52年6月1日
訓令第6号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 消防地水利の保全、開発(第3条―第25条)
第3章 指定消防水利(第26条)
第4章 消防活動の障害対策(第27条―第30条)
第5章 開発行為に伴う消防地水利等(第31条)
第6章 記入要領(第32条・第33条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、消防活動の基本となる地利及び水利(以下「地水利」という。)の台帳並びに調査、管理及び報告について必要な事項を定めることを目的とする。
(用語)
第2条 この規程における地水利とは、次の各号に掲げるものをいう。
(1) 地利
ア 地形
イ 道路、橋梁
ウ その他警備上注意を要する箇所
(2) 水利
ア 消火栓及び防火水そう(私設を含む。)
イ 貯水池及びプール
ウ 井戸、河川、溝川及び濠水
エ その他消防の用に供し得る水利
2 基準水利、前項に掲げる水利であつて、消防水利の基準を定める告示(昭和39年消防庁告示第7号)第3条各項に掲げる基準に適合するものをいう。
3 参考水利 基準水利以下の水利で、署長において消防水利として有効と認めるものをいう。
4 公設水利 関係市長及び関係水道事業管理者が設置し、維持し管理している消火栓及び防火水そうをいう。
5 私設水利 公設水利以外の消防水利をいう。
6 指定消防水利 基準水利に該当するもので、消防法第21条第1項の規定に基づき消防長又は消防署長が指定した消防水利をいう。
第2章 消防地水利の保全、開発
第1節 消防水利の調査、報告
2 署長は、前項の消火栓所在地等・記録表及び消火栓個別台帳並びに防火水そう・プール・池等所在地等記録表を新設、廃止等の理由で補正した場合には、消防長に報告しなければならない。
3 消防長は、消防水利の保全、開発に関して必要あるときは、その状況について署長に報告を求めるものとする。
4 消防長は、防災区を基に責任担当区を設定し、署長は、それにより消防士に責任担当区を割当て消防長に報告しなければならない。
5 責任担当区の担当者は、上司の命により巡回等で調査、台帳整備等を行い主管上司を経て署長に報告しなければならない。
第2節 地水利台帳
(台帳作成の要領)
第4条 地水利台帳作成は、地水利台帳記入要領(別記1)に基づき作成のこと。
第3節 地水利調査
(地水利調査)
第5条 責任担当区の担当者は、責任担当区域内における地水利の保護、管理の責任において、次の事項について調査、研究、は握に努めなければならない。
(1) 地利の状況
(2) 水利の状況
(3) 道路の状況
(4) その他必要な事項
(調査の種類)
第6条 地水利調査を分けて定期調査及び特別調査とする。
(定期調査)
第7条 定期調査は、毎月1回以上管内全域が調査できるように実施するものとする。
(特別調査)
第8条 特別調査は、署長が特に必要と認めた場合に実施する。
第4節 消火栓の新設、廃止等
(消火栓の新設、廃止に対する措置)
第10条 署長は、消防警備上、消火栓の新設、移設、廃止及び水道配水管の新設、布設替等の必要があるときは、消火栓の新設等の計画に基づき、消防長の承認を得て関係者に要望するものとする。
2 消防長は、関係者から消火栓の新設等又は水道配水管の新設、布設替、撤去等の工事計画について合議を受けたときは、当該計画について署長に意見を求めるものとする。
3 前2項において消防長は、その意見について審査し、支障がないと認めたときは、関係者あて要望又は意見を送付しなければならない。
(消火栓の新設、廃止等)
第11条 署長は、関係者から消火栓の新設又は廃止若しくは、事情変更(水道配水管の布設替、配水区域の変更又は移設をいう。)等に関する工事計画書を受理したときは、当該工事について通行障害、水利障害その他消防活動上、必要な事項について照合確認し、当該計画を消防長に報告しなければならない。
2 責任担当区の担当者は、前項の計画書に基づき、工事が着手されたとき及び工事の施行状況をは握するため、工事内容に応じて必要な調査を行い、その状況等については、署長に報告しなければならない。
第5節 防火水そう等の新設、廃止等
(防火水そうの設置計画)
第12条 消防長は、翌年度における防火水そう設置計画を樹立するため、必要と認められる場所について署長に対し設置計画書の提出を求めるものとする。
(1) 設置場所付近の状況
ア 人口及び世帯数
イ 建築物の状況(分布状況、構造、用途等)
ウ 消防水利の分布状況
(2) 設置の必要性
(3) その他地元民等の要望の有無等参考事項
(防火水そうの新設要望)
第13条 消防長は、前条により提出された防火水そうの設置計画について、審査を行い支障がないと認めたときは、関係者あて要望又は意見を送付しなければならない。
(完成報告等)
第14条 消防長は、関係者から完成検査の報告を受けたときは、署長あて通知するものとする。
(防火水そう等の廃止等)
第15条 署長は、関係者から消火栓以外の消防水利が諸事情のため廃止又は事情変更(容量、形状、水利使用設備の変更又は指定消防水利の承諾内容の変更等をいう。)の通知を受けた場合は、関係者と協議するものとする。
第6節 消防水利の修理
2 前項のうち私設水利で、諸種の事情から関係者において修理を行うことが困難であり、かつ、その状況からみて修理等を行うことが必要であるときは、署長は、消防長に上申するものとする。
3 消防長は、前項の上申を受けたときは、その状況等を調査し、必要な措置を行うものとする。
第7節 水利使用設備、進入路等の設置
(水利使用設備の設置)
第17条 責任担当区の担当者は、教育委員会等関係機関又は民間企業体等において、プールその他、水利使用設備を設置することについて聞知したときは、速やかに、次の各号に掲げる事項について署長に報告しなければならない。
(1) 水利の種別、形態、容量等
(2) 設置対象物
(3) 設置位置
(4) 設置の時期(着工日、完成日)
(5) その他必要事項
2 前項の水利の設置について消防長が聞知したときは、前各号に掲げる事項について署長あて通知するものとする。
(1) 水利使用設備の必要な理由
(2) 水利使用設備の種別及び数
(3) 進入路(門等)
ア 形態
イ 施錠等の方法
(4) その他必要事項
(学校に対する施設改善要望)
第19条 署長は、管内の学校について校門の拡巾等消防活動上必要な施設の改善等について必要と認めるときは、学校内施設改善要望書(様式第9号)により関係機関の長に要望するとともに消防長に報告するものとする。
(河川進入路)
第20条 署長は、管内の基準水利に該当する河川を使用するため河川敷に進入路を設ける必要があるときは、次の各号に掲げる事項について調査し、当該河川敷を管理する関係機関に河川敷等の占用許可申請を行うとともに消防長に報告するものとする。
(1) 河川の状況
(2) 河川敷等の状況
(3) 河川敷等占用の範囲及び進入路の形態
(4) 当該進入路設置の必要な理由
(5) 付近見取図、位置図、平面図、断面図等必要な図面
(施錠施設の措置)
第21条 署長は、河川敷等に設置された進入路又は工場等に設置された消防の用に供する進入路、出入口、門及びさく等に施錠することについて錠の変更について通知を受けたとき、又は聞知したときは、合鍵の確保に努めなければならない。
第8節 消防水利の使用及び水量の報告
(1) 消防訓練
(2) その他火災現場以外において消火栓を使用するとき。
2 署長は、前月中に火災現場において使用した消火栓の水量を毎月6日までに、消防長及び関係者に報告しなければならない(様式第11号)。
第9節 消防水利標識等
(水利標識等の設置、保全)
第23条 署長は、管内の消防水利等について、消防水利標識等の設置(標示)要領(別記3)に基づき、次の各号の区分による消防水利標識の適正な設置及び保全につとめなければならない。
(1) 消防水利標識
ア 統一水利標識(消火栓用)
イ 統一水利標識(防火水そう用)
ウ 指定消防水利標識
(2) 路面標示 消防水利の位置を明示する路面標示
(1) 道路の舗装、駐車の規制等道路の状況
(2) 地域の住宅分布、水利分布等の状況
(3) 当該消防水利に対する駐車、物件放置等に使用障害の発生頻度
(4) 消防活動上における当該消防水利標識等の必要度
(5) 消防水利標識等の耐久度
(標識設置(標示)に伴う道路及び空地その他の占用許可申請等)
第24条 消防長及び署長は、前条第1項に定める標識を設置するときは、各関係機関に対し、許可の申請及び承諾を得るものとする。
(消防水利標識等の設置(標示)後の処理)
第25条 責任担当区において、消防水利標識等を設置(標示)したときは、消火栓所在地等記録表、個別台帳及び防火水そう、プール、池等所在地記録表に記入しておかなければならない。
第3章 指定消防水利
2 署長は、前項により関係者の承諾を得た場合は、その写を消防長あて送付するものとする。
第4章 消防活動の障害対策
(通行障害等)
第27条 署長は、通行障害、水利障害(以下「通行障害等」という。)について発見し、又は届出を受けたときは、次の各号に定める事項について確認し、通行障害等の原因者に必要な指示をするとともに、その状況等について消防長に報告しなければならない。
(1) 通行障害等の種別
(2) 通行障害等の期間及び時間等
(3) 通行障害の場所
(4) 通行障害の内容
(5) 通行障害の原因となる工事等の施行責任者の住所、氏名、連絡先
(現場調査)
第28条 署長は、前条の通行障害等について必要な場合は、現場調査を行い、障害実態のは握及び障害に伴う警備対策の樹立等を行わなければならない。
(一せい指令による通知)
第29条 消防長は、第27条の報告を受け、当該通行障害等について、一せい指令により連絡指令をするものとする。
(通行障害等の記録)
第30条 署長は、第27条に基づき通行障害等について通知を受けたときは、その実態をは握、記録しなければならない。
第5章 開発行為に伴う消防地水利等
(開発行為にかかる消防水利の設置)
第31条 開発行為にかかる消防水利の設置については、枚方寝屋川消防組合開発指導要綱に基づき設置するものとする。
第6章 記入要領
(記入要領)
第32条 この規程に定める各様式の記入要領については、別記1によるものとする。
(その他)
第33条 この規程に定めのないもののほか、特別な場合については、別に消防長が定めるものとする。
附則
1 この規程は、昭和52年6月1日から施行する。
2 地利、水利調査規程(昭和32年規程第4号)は廃止する。
附則(昭和61.3.13訓令4)
この訓令は、昭和61年4月1日から施行する。
附則(昭和63.3.30訓令6)
この訓令は、昭和63年4月1日から施行する。
別記1
地水利台帳記入要領
地水利(新設、廃止、変更等を含む。)の記入は、地水利原図、各地水利台帳に下記要領により作成するものとする。
(1) 基本地図及び各地水利台帳
イ 2,500分の1の防災区地図を作成使用すること。
ロ 各地水利台帳は、消防地水利に関する規程の様式第1号、様式第2号及び様式第3号を使用すること。
(2) 消火栓の記入
記号は、次のとおり分類し、赤ゴム印を押印すること。
イ 消防水利基準に適合する消火栓 ●
ロ 消防水利基準に適合しない消火栓 ○
ハ 消火栓番号は、アラビア数字の黒ゴム印を押印すること。
(3) 消火栓以外の消防水利の記入
防火水そう、プール、池等の記号は、次のとおり分類する。
イ 防火水そう
ロ プール
ハ 池
記号は、赤ゴム印で、番号は、黒ゴム印でそれぞれ押印すること。
(4) 台帳作成上の注意事項
イ 2行政管轄区域に及ぶ防災区に関しては、各行政管轄区域のみの防災区部分を当該区として作成及び受持ちとすること。
ロ 行政境界道路における防災区の消防水利記入については、防災区外でも行政管轄により記入すること。
ハ 消火栓個別台帳(様式第2号)の消火栓附近の略図記載例を参考にして消火栓の位置記入をすること。
消火栓個別台帳(様式第2号)
(消火栓附近の略図記載例)
各様式の記入要領
この規程に定める各様式の記入要領は、次のとおりとする。
(1) 消火栓所在地等記録表(様式第1号)
イ 番号欄には、2,500分の1の防災区地図に表わした消火栓番号を記入すること(ただし、公設、私設は別々の記録表を作成記入すること。)。
ロ 場所欄には、原則として市、町、番地まで記入すること。
(2) 消火栓個別台帳(様式第2号)
イ 目標欄には、建物工作物等名称及び位置を記入すること。
ロ 消防車接近可否欄には、①小型(幅員3.5m)②中型(幅員3.8m)③大型(幅員4.2m)が接近できる該当車を○でかこむこと。
ハ 消火栓附近の略図には、当該消火栓より各建物、工作物等までの距離を記入し、当該消火栓が埋没等により不明になつた場合でも所在地がわかるようその他必要な事柄を図示すること。
ニ 故障年月日(修理年月日)欄には、当該消火栓について調査した場合、故障等を発見した年月日をまた故障等の修理を確認した年月日を記入すること。
ホ 修理内容欄には、前記の故障について該当する項目に○印をつけ、その他にあてはまる項目を記入すること。
(3) 防火水そう・プール・池等所在地等記録表(様式第3号)
イ 番号欄には、2,500分の1の防災区地図に表わした防火水そう、プール、池等の番号を40m3以上、及び40m3未満に分類し、記入すること。
ロ 接近可否欄には、様式第2号の記入要領に準ずる。
ハ 承認有無欄には、様式第12号の承認有無を記入すること。
(4) 消防力の概況報告書(様式第4号)
イ 各欄の上段には、枚方市管内について、下段は寝屋川市管内について集計記入すること。
ロ 出場回数欄には、各区分の発生に対して、出場した回数の集計を記入すること。
ハ 出場分隊数欄には、前記出場回数に対する出場各車両別の台数を記入すること。
ニ 延出場人員欄には、前記出場分隊数に対する人員の合計を記入すること。
ホ 延出場時間欄には、前記出場各車両の出場から帰署(所)までに要した時間の集計時間を記入すること。
(5) 消火栓(新設、事情変更、廃止)報告(通知)書(様式第5号)
イ 報告の概要欄には、新設については、開発行為又は、当消防組合の要望等その他の設置内容を記入すること。
事情変更については、布設替による変更等、その他事情変更の内容を記入すること。
廃止については、廃止の理由等の概要を記入すること。
(6) 消火栓以外の消防水利新設報告書(様式第6号)
イ 型式欄には、防火水そう等の地上式又は地下式等を記入すること。
ロ 使用可能台数欄には、当該消防水利について消防水利の基準第3条に準じて40m3につき1台2口放水にて使用するものとして、その台数を記入すること。
ハ 水利付近詳細図欄には、設置場所付近の道路又は敷地等の状況図を含めて消防水利を記入し、所定の欄で書くことができない場合は、別紙により添付すること。
(7) 消火栓以外の消防水利廃止、事情変更報告書(様式第7号)
イ 発生年月日欄には、廃止、事情変更等を発見した年月日を記入すること。
ロ 報告種別欄には、廃止又は事情変更のいずれかを記入すること。
ハ 廃止又は事情変更の理由及び内容欄には、廃止は、廃止になつた理由を、事情変更については変更内容を記入すること。
ニ 設置図、変更図欄には、廃止については設置図のみ、事情変更については、設置図並びに変更図を記入し、所定の欄で書くことができない場合は別紙作図により添付すること。
(8) 消防水利修理依頼(報告)書(様式第8号)
イ 消火栓修理内容欄には、1から11までの該当する事項に○印をつけ、なお、11のその他の欄に関しては( )内に記入すること。
ロ 防火水そう修理内容欄には、修理内容を詳細に記入し、必要に応じて図面を添付すること。
(9) 学校施設改善要望書(様式第9号)
イ 改善事項欄は、消防用水(地水利を含む。)及び防火活動上必要な施設並びに進入経路等に関して改善を必要とする事柄を記入すること。
ロ 改善を要する施設等の詳細図には、前記の事柄を図面にて図示すること。
(10) 消火栓使用について(報告)(様式第10号)
イ 当該報告は、使用する所属長より、当該消火栓管轄区域の関係市に対し報告するものとする。
(11) 消火栓使用水量報告書(様式第11号)
イ 火災による消火栓使用水量は当該関係市の管轄区域における使用水量とし、当該関係市外の管轄区域において使用した使用水量は、当該管轄区域の所属長に通知すること。
(12) 消防水利指定承諾書(様式第12号)
イ 承諾期間は、所有者、管理者、又は占有者の承諾を得た年月日から1年後の年月日を記入し、承諾期間は原則として1年間とする。
ロ 承諾上の条件とは当該消防水利施設の使用時における施設の破損等に関する責任について及び当該施設の使用時間に関することその他承諾上に必要な条件について記入のこと。
別記2
消火栓取扱要領
1 消火栓の使用制限
関係水道事業管理者から消火栓の使用制限について指示があつた場合は、消防訓練においての消火栓の使用を制限することがある。
2 消火栓使用上の留意事項
消火栓を使用するときは、濁水等による給水障害を防止するため次の事項に留意すること。
(1) 使用する消火栓附近の需用者に消火栓使用による濁水の恐れについて事前広報すること。
(2) 放水時間は、なるべく短時間(5分程度)とすること。
(3) 使用後は、消火栓を半開栓し、濁りがとれるまで放出すること。
別記3
消防水利標識等の設置(標示)要領
1 消火栓の路面標示については、基準以上の消火栓を黄色のペイントで、基準以下の消火栓は白色のペイントでそれぞれ塗色するものとする。
2 統一水利標識(消火栓用)
(1) 標識板は、全国統一標識400型を使用すること。
(2) 標識板設置場所は、水利の直近に設置することを原則とし、標識板に水利の位置を記入すること。
3 統一水利標識(防火水そう用)
標識板は、全国統一標識600型を使用し、直近で見易い場所に設置すること。
4 指定消防水利標識(防火水そう以外)
標識板は、全国統一標識600型を使用し、直近で見易い場所に設置すること。
消防水利標識図