○枚方寝屋川消防組合開発事業等に係る消防水利等の基準に関する規程

平成30年3月23日

訓令第4号

枚方寝屋川消防組合開発事業等に係る消防水利等に関する指導規程(平成19年枚方寝屋川消防組合訓令第12号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この訓令は、枚方市開発事業等の手続等に関する条例(平成17年枚方市条例第46号)及び寝屋川市開発事業に関する指導要綱(平成21年7月1日制定)(以下「関係市開発指導条例等」という。)に基づく開発事業等を開発者等が行う場合において、防災上の観点から、水利の設置及び消防活動上必要な事項を定めることにより、理想的で秩序ある防災の街づくりを行い、もって人命の安全確保に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 開発事業等 枚方市開発事業等の手続等に関する条例第2条第7号に規定する開発事業等並びに寝屋川市開発事業に関する指導要綱第2条第1号に規定する大規模開発事業及び同条第2号に規定する一般開発事業をいう。

(2) 開発者等 開発事業等を行う者をいう。

(3) 開発区域 開発事業等を行う土地の区域をいう。

(適用範囲)

第3条 この訓令は、枚方寝屋川消防組合(以下「組合」という。)の管轄区域内において行われる開発事業等について適用する。

(指導及び協議)

第4条 開発区域を管轄する消防署長(以下「署長」という。)は、開発者等に対して、次に掲げる事項について円滑な消防活動ができるよう指導するとともに、必要な事項について協議しなければならない。

(1) 消防法(昭和23年法律186号。以下「法」という。)第20条第2項に規定する消防に必要な水利施設(以下「水利施設」という。)

(2) 法第21条第1項の規定により指定された消防水利(以下「消防水利」という。)

(3) 消防活動上必要な空地及び進入路(以下「消防活動空地等」という。)

(4) 前3号に掲げるもののほか、消防活動上必要な事項

(届出及び検査)

第5条 開発者等は、水利施設及び消防水利(以下「消防水利施設等」という。)又は消防活動空地等を設置する場合は、工事を行う10日前までに工事の場所等その他必要な事項を記載した設計届出書(様式第1号様式第2号)を署長に提出するものとする。

2 開発者等は、開発事業等が完了する前に必要に応じて中間検査を受けるものとする。

3 開発者等は、すべての開発事業等が完了したときは、速やかに開発事業等に係る工事完了届出書(様式第3号)を署長に提出し、完成検査を受けるものとする。

4 前3項に定めるもののほか、届出及び検査について必要な事項は別に定める。

(消防水利施設等の設置基準)

第6条 開発区域の消防水利施設等は、消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号。以下「水利基準」という。)に定めるところによるほか、次のとおり設置するものとする。

(1) 消防水利施設等は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定する用途地域に応じて、開発区域を完全に包含すること。この場合において、一つの消防水利によって包含できる範囲は、別表第1に掲げる水平距離以内となるよう設けるものとする。ただし、包含外であっても有効活動範囲以内に既設の消防水利がある場合で、開発区域の規模、予定建築物の用途を勘案し、消防活動上支障がないと署長が特に認めた場合はこの限りでない。

(2) 消防水利施設等は、消火栓又は防火水槽(第10条各号に規定する構造等を有する防火水槽をいう。以下本条及び第9条において同じ。)を設置するものとし、季節によって流量及び水量が著しく変化する河川及び池並びに応急防火措置として設置された遊水池等は、消防水利施設等としないこと。ただし、開発区域内にあり、かつ、将来にわたり常時支障なく使用でき、当該建築物に付随した消防水利施設等で、維持管理が十分確保されると署長が特に認めたときは、この限りでない。

(3) 消防水利施設等は、幅員4メートル以上の道路に面し、消防ポンプ自動車が容易に接近、取水できる場所に設置すること。

(4) 主要幹線道路(4車線以上の道路をいう。)、河川、鉄道、架橋、崖等に隔てられ、ホース延長が困難と認められる開発区域には、別図1のとおり開発区域を包含するよう消防水利施設等を設置すること。

(5) 開発区域の消防水利能力を高めるため、別表第2に定める基準に基づき防火水槽を付加設置(水利基準の規定に加え、設置することをいう。)すること。ただし、開発区域において、著しく火災の延焼拡大が無いと署長が特に認めたときは、この限りでない。

(6) 前各号に掲げるもののほか、次に掲げるものは、消防水利施設等としないこと。

 開発区域外にある私設のもの及び組合の区域外にあるもの

 架橋(歩行者専用架橋を含む。)のない対岸にあるもの

 鉄道が遮る位置にあるもの

 特異な地形等に遮られているもの

 歩行距離で200メートル以上あるもの

(消防水利施設等の標識等)

第7条 開発区域に消防水利施設等を設置する場合は、その位置等が容易に識別できるように、焼付け標示及び標識を当該消防水利施設等の直近に掲げるものとする。

(消火栓)

第8条 開発区域に消火栓を設置する場合は、枚方市又は寝屋川市(以下「関係市」という。)の担当課と協議の上、次のとおり設置するものとする。

(1) 消火栓の構造については、特別な事情があるものを除き、地下式消火栓とすること。

(2) 消火栓は、呼称65の口径を有するもので、直径150ミリメートル以上の管に設けられたものであること。ただし、管網の一辺が180メートル以下となるように配管されている場合は、管網の管の直径を75ミリメートル以上とすることができる。

(3) 枝状配管は、直径150ミリメートル以上の管から分岐された直径75ミリメートル以上とし、管網の一辺が180メートル以下の一基目のものであること。

(4) 第2項及び第3項の規定にかかわらず、解析及び実測により、取水可能水量が毎分1立方メートル以上であると認められるときは、管の直径を75ミリメートル以上とすることができる。この場合において、消火栓の位置その他の消防水利の状況を勘案し、地域の実情に応じた消火活動に必要な水量の供給に支障のないように留意しなければならない。

(防火水槽の設置位置等)

第9条 防火水槽の設置位置等は、次のとおりとする。

(1) 道路に面し、消防ポンプ自動車から防火水槽の底板まで概ね7メートル以内とすること。

(2) 用地は、その上面をコンクリート又はアスファルト舗装仕上げ等とすること。

(3) 駐車場、駐輪場等の地下に設置する場合は、取水部分(吸管投入孔又は採水口をいう。)が自動車又は自転車等の障害物の影響を受けない位置とすること。

(防火水槽の構造等)

第10条 防火水槽の構造等は、次のとおりとする。

(1) 防火水槽の規格は、消防防災施設整備費補助金交付要綱(平成14年4月1日消防消第69号。以下「交付要綱」という。)第4条第1項及び第3項の規定に準ずるものとすること(交付要綱別表第3第1.1.(6)を除く。)

(2) 貯水量は、常時40立方メートル以上の水量が確保できること。

(3) 耐震性を有する地下式有蓋で、かつ漏水防止が完全であること。

(4) 吸管投入孔の直下に深さ50センチメートル以上のピットを設けること。

(5) 水槽底の深さは、底設ピットの部分を除き、地表面から4.5メートル以内であること。

(6) 上積荷重は、T―14荷重からT―25荷重までとすること。

(7) 吸管投入孔は、消防車両が容易に水利部署できる場所に設け、直径60センチメートル以上の円型とすること。ただし、構造及び位置的に吸管投入孔を設けることが困難なときは、次に掲げるところにより消防隊専用採水口を設けることができる。

 消防隊専用採水口の配管口径は、100ミリメートルとすること。

 消防隊専用採水口の配管材質は、配管用炭素鋼鋼管(JISG3452)、水道用亜鉛めっき鋼管(JISG3442)、一般配管用ステンレス鋼管(JISG3448)又はこれらと同等以上の強度を有する鋼管を使用し、錆止め措置を講ずること。

 消防隊専用採水口は原則2口とし、それぞれ独立管とすること。

 採水管の長さは全長12メートル以下とし、エルボは4箇所以内とすること。

 消防隊専用採水口の取付位置は、防火水槽底面から4.5メートル未満とすること。

 消防隊専用採水口には「採水口(防火水槽)」の表示を行うこと。

 消防隊専用採水口は、火災の影響を受けるおそれが無い場所に設置すること。

 消防隊専用採水口は単口形で、消防用ホースに使用する差込式又はねじ式の結合金具及び消防用吸管に使用するねじ式の結合金具の技術上の規格を定める省令(平成25年総務省令第23号。)に規定する呼称75のめねじ(以下単に「呼称75のめねじ」という。)に適合するものとすること。ただし、一般財団法人日本消防設備安全センターの性能評定を受け、かつ、呼称75のめねじと同様の寸法のものについてはこの限りでない。

(8) 吸管投入口の鉄蓋については、想定される上積荷重に十分耐えられるものとし、黄色の塗装及び「防火水槽」の表示が施され、安全性に留意したもので、組合が保有する開閉器具にて開閉できるものとすること。

(連結散水設備及び連結送水管の水源)

第11条 消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第7条第6項に規定する連結散水設備及び連結送水管の水源(以下次項において「当該水源」という。)は、消火栓又は防火水槽とするものとする。

2 前項の規定にかかわらず、令第7条第5項に規定する消防用水が水利基準第3条第1項の基準に適合し、かつ、法第21条第1項の規定により消防水利として指定されたものである場合は、当該水源とすることができる。

(消防活動上必要な空地)

第12条 開発区域に建築される建築物(専用住宅を除く。)が地階を除く階数が4以上又は地階を除く階数が3で最高の軒高が12メートル以上のときは、はしご付き消防自動車等(以下「はしご車」という。)が消火及び人命救助活動を有効に行うことができる消防活動空地(以下「活動空地」という。)を次のとおり設定するものとする。

(1) 活動空地は、架空電線の障害とならない場所に設定すること。

(2) 活動空地は、はしご車が容易に進入し、及び有効に活動できる位置に設定すること。

(3) 活動空地は、原則としてバルコニー側に面して設定すること。ただし、バルコニー側に確保することが困難な場合で、バルコニー側と開放廊下が連続している場合は、開放廊下側に設定することができる。

(4) 活動空地は、バルコニーを有しない建築物には、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第126条の6の規定により設けられた非常用進入口が設置される面に対して設定すること。ただし、非常用進入口が設置されない場合又は非常用進入口が有効に使用することができない場合は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第5条の2に規定する開口部にはしご車がはしごを架けることができるように活動空地を設定すること。

(5) 活動空地は、はしご車が接近できるよう幅6メートル以上、長さ12メートル以上確保すること。

(6) 活動空地は、建築物の各部分との距離がはしご車の有効な活動範囲にあるものとし、はしご車の活動空間には、はしご車の伸長及び旋回等の支障となる工作物、架空電線、植栽等がないようにすること。

(7) 活動空地には、路面にその位置が判別できるよう別図2の路面標示又は同等の効果を得られる標示を行うこと。ただし、公道等、路面標示が困難であると判断される場合は、この限りでない。

(8) 活動空地には、一般車両の駐停車位置との判別をするための別図3の標識又は同等の効果を得られる標識を掲出すること。ただし、公道等、標識の設置が困難であると判断される場合は、この限りでない。

(9) 活動空地のこう配は、10.5パーセント(6度)以内とすること。

(活動空地に通ずる進入路等)

第13条 前条に規定する活動空地を設定する場合は、主要幹線道路等から活動空地に通ずる道路(以下「進入路」という。)は、はしご車が容易に運行できるよう、次のとおり設定するものとする。

(1) 進入路及び当該建築物の活動場所に至る道路の路床、路盤及び舗装の強度は、車両重量25トンに耐え得る構造であること。

(2) 進入路の傾斜角は、17.6パーセント(10度)以下とすること。

(3) 進入路への段差は、10センチメートル以下とすること。

(4) 進入路は、はしご車の進入に支障がないよう6メートル以上の幅員を確保し、又は、別図4若しくは別図5に基づき、進入口及び退出口のすみ切りを確保すること。ただし、変則交差道路等、交差角が直角と著しく相違する場合その他特別の事由がある場合は、実測調査を行う等、個々の道路角ごとに協議を行うものとする。

(5) 進入路に車両進入防止さく等を設ける場合は、人力により容易に取り外し可能なものとすること。ただし、非常開錠スイッチ等を設けた場合は、この限りでない。

(6) 進入路は、駐車禁止とすること。

(7) 進入路には、くぐりを設けないこと。ただし、くぐりの高さが4メートル以上となる場合は、この限りでない。

(活動空地の代替措置等)

第14条 建築物の構造、配置、敷地形状、その他やむを得ない事由により、活動空地を設定することができない場合は、建築物に対し、消防隊が2階から3階以上の各階へ進入し、有効に活動できる措置を講じるものとする。

2 38メートル級のはしご車の伸長時の最高高さを超える建築物にあっては、その超える階について、消防隊が進入し、有効に活動できる措置を講じるものとする。

(避難及び進入上有効なバルコニー等)

第15条 令別表第1(5)項イ、(6)項イ(1)から(3)まで、(6)項ロ及び(6)項ハ(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)に掲げる用途が存する建築物で次の各号のいずれかに該当する建築物の避難階以外の階(地階を除く。)には、第12条から前条までの規定にかかわらず、避難及び進入上有効なバルコニー等を設置するよう努めるものとする。

(1) 開発区域が2,000m2以上で、かつ建築される建築物の地階を除く階数が4以上又は地階を除く階数が3で最高の軒高が12メートル以上のもの

(2) 開発区域に建築される建築物の延べ面積が5,000m2を超え、かつ地階を除く階数が6以上のもの

(ヘリコプター緊急離着陸場等)

第16条 高さ45メートルを超える建築物で非常用エレベーターの設置を要するもの又は高度医療施設は、別に定める枚方寝屋川消防組合ヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の設置指導基準により、緊急離着陸場等を設置するものとする。

(維持管理)

第17条 消防水利施設等、消防活動空地等を管理する者は、各施設を常に良好な状態で維持管理し、及びその状態を定期的に点検するとともに当該設置基準に適合しないとみなされる場合は、速やかに修理及び復旧を行うものとする。

(訓令の準用)

第18条 この訓令の規定による消防水利等の基準は、関係市開発指導条例等に基づく開発事業等以外の開発事業等について準用する。

(事務処理)

第19条 関係市又は開発者等から提出された関係市開発指導条例等に基づく事前協議書等の取扱い及びその他の事務処理方法については、別に定める。

(施行細目)

第20条 この訓令に定めるもののほか、この訓令の施行に関して必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の際、枚方寝屋川消防組合開発事業等に係る消防水利等に関する指導規程の規定により現になされている指導、協議その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされた指導、協議その他の行為とみなす。

(令元.6.28訓令3)

この訓令は、令和元年7月1日から施行する。

(令3.1.18訓令1)

この訓令は、令達の日から施行する。

(令和4年1月12日訓令第1号)

この訓令は、令達の日から施行する。

(令和6年4月1日訓令第4号)

この訓令は、令和6年4月1日から施行する。

別表第1(第6条関係)

用途地域

水平距離

近隣商業地域

商業地域

工業地域

工業専用地域

100メートル

その他の用途地域及び用途

地域の定められていない地域

120メートル

別表第2(第6条関係)

開発区域の面積

防火水槽の容量

5,000平方メートル以上50,000平方メートル未満

40立方メートル以上

50,000平方メートル以上100,000平方メートル未満

80立方メートル以上

100,000平方メートル以上

120立方メートルに開発区域の面積50,000平方メートルを増すごとに40立方メートルを加えた容量以上

別図1(第6条関係)

① 消防水利包含充足の例

画像

② 消防水利包含未充足の例1

開発区域の一部が未充足となる場合

画像

③ 消防水利包含未充足の例2

消防水利と開発区域との間に軌道式や崖地等があり実態上、水利未充足となる場合

画像

別図2(第12条関係)

「はしご車活動位置」の路面標示例

その1

画像

備考

1 線の色は、黄色又は白色で、概ね15センチメートル以上の幅とすること。

2 線と線の間隔は、概ね150センチメートルとすること。

3 文字の大きさは任意とする。

その2

画像

備考 線の色は、黄色又は白色で、概ね15センチメートル以上の幅とすること。

別図3(第12条関係)

「はしご車の停車場所」の標識

画像

備考 下地は白色、文字は紺色、絵は赤色とすること。

別図4(第13条関係)

はしご自動車等道路すみ切り基本図

画像

はしご自動車等道路すみ切り参考図①

画像

はしご自動車等道路すみ切り図②

画像

はしご自動車等道路すみ切り図③

画像

はしご自動車等道路すみ切り図④

画像

別図5(第13条関係)

はしご車展開図

画像

単位mm

画像

画像

画像

枚方寝屋川消防組合開発事業等に係る消防水利等の基準に関する規程

平成30年3月23日 訓令第4号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第5編 備/第1章
沿革情報
平成30年3月23日 訓令第4号
令和元年6月28日 訓令第3号
令和3年1月18日 訓令第1号
令和4年1月12日 訓令第1号
令和6年4月1日 訓令第4号