○枚方寝屋川消防組合火災損害調査規程

平成11年10月7日

訓令第35号

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、枚方寝屋川消防組合火災原因調査規程(平成11年枚方寝屋川消防組合訓令第34号。以下「火災原因調査規程」という。)第4条第3項の規定により、火災損害調査(以下「損害調査」という。)について必要な事項を定めるものとする。

(損害調査の範囲)

第2条 損害調査は、火災又は消火のために被った人的被害及び物的損害について、次の各号に掲げる事項を明らかにするため行うものとする。

(1) 人的損害調査 火災によって生じた死者及び負傷者の調査をいう。

(2) 物的損害調査 火災によって受けた次の損害区分による財産の調査をいう。

 焼き損害 火災の火炎、高熱等によって焼け、壊れ、煤け、変質した等の損害

 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害

 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた及びに規定するもの以外の損害

第2章 火災原因調査規程の準用

(火災原因調査規程の準用)

第3条 この訓令における用語並びに現場保存、実況見分、質問、照会、鑑定、資料の収集保存及び少年等に対する取扱いに係る損害調査の実行については、火災原因調査規程の相当規定を準用する。

第3章 人的損害調査

(死傷者の範囲)

第4条 火災等による死傷者とは、次の各号に掲げるところによる。

(1) 消防吏員、消防団員及び消防活動に関係のある者 火災等を覚知したときから現場引揚げまでの間に死傷した者

(2) 前号に掲げる者以外のもの 火災等現場において当該火災等に直接起因して死傷した者

2 前項に規定する負傷者のうち、受傷した時刻から48時間以内に死亡した者については、死者として計上するものとする。

3 負傷者数のうち、火災に起因する原因により48時間を経過して30日以内に死亡した者を「30日死者」として計上するものとする。

(死傷者の区分)

第5条 火災等によって発生した死傷者の区分は、次の各号に掲げるところによる。

(1) 消防吏員

(2) 消防団員

(3) 応急消火義務者 法第25条第1項に規定する者

(4) 消防協力者 法第25条第2項及び法第29条第5項に規定する者

(5) その他の者 前各号に掲げる者に該当しないもの(自損を含む。)

(負傷程度の区分)

第6条 火災等による負傷程度の区分及びその内容は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 重症 傷病の程度が3週間の入院加療を必要とするもの以上のもの

(2) 中等症 傷病の程度が重症又は軽症以外のもの

(3) 軽症 傷病の程度が入院加療を必要としないもの

(死傷者の調査)

第7条 調査担当者は、火災等による死傷者がある場合は、必要な事項を調査しなければならない。

(死傷者の調査表)

第8条 調査担当者は、火災等による死傷者を調査したときは、死傷者の調査表を作成しなければならない。

第4章 物的損害調査

(り災建物の構造区分)

第9条 り災建物の構造区分及びその内容は、次の各号に掲げるところによる。

(1) 木造 柱及びはりが主として木造のものをいい、防火造のものを除く。

(2) 防火造 屋根、外壁及び軒裏が建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「建基法」という。)第2条第8号に掲げる構造のものをいう。

(3) 準耐火造(木造) 建基法第2条第7号の2に掲げるもののうち、柱及びはりが主として木造のものをいう。ただし、同号ロに定めるもののうち、柱及びはりの一部が木造のものを除く。

(4) 準耐火造(非木造) 建基法第2条第7号の2に掲げるもののうち、前号に掲げるもの以外のものをいう。

(5) 耐火造 建基法第2条第7号に掲げる構造のものをいう。

(6) その他造 前各号に掲げるものに該当しない構造のものをいう。

(階数の算定)

第10条 建物の階数は、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第2条第1項第8号に掲げるところにより算定する。

(棟数の算定)

第11条 焼損した建物の数は、棟ごとに算定する。

2 前項に規定する棟とは、独立した建物をいい、建物の棟数を算定する基準は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 棟と棟との間が渡り廊下の類で接続しているものは、その部分を折半してそれぞれの棟とする。

(2) 棟に接着して作られている俗に下屋といわれるものについては、同一の棟とする。

(3) 構造のいかんにかかわらず屋根及び小屋組が一体となっているもの(長屋門等)は、同一棟とする。

(4) 耐火造の建物の屋上部分に造られた木造の建物は、別棟とする。ただし、それらが建物の機能上一体(内階段のある場合)である場合は、同一棟とする。

(5) 木造又は防火造の建物が防火壁で区画されており、建物の機能上一体である場合は、同一棟とする。

(6) 高架下の連続した建物は、当該高架の脚から脚までを独立した棟とする。

(焼損面積の算定)

第12条 建物の焼損面積及びその内容は、次の各号に掲げるとおりとし、面積算定は、実測によるものとする。

(1) 焼損床面積 建物の焼損が立体的に及んだ場合で焼損したことによって機能が失われた部分の床面積(その空間の床又は天井とその空間を構成している表面との2面以上の焼損があった表面で囲まれる部分の床面積をいう。)をいう。

(2) 焼損表面積 建物の焼損が部分的で立体的に及ばない場合でその焼損した部分の表面積をいう。

(世帯数の算定)

第13条 世帯数は、次の各号に掲げるところにより算定する。

(1) 住居及び生計を共にする者又は1人で居住し、生計を維持する者ごとに1世帯とする。ただし、住居を共にするものの生計を別にする者は、その生計数をもってそれぞれ1世帯とする。

(2) 会社、官公庁等の寄宿舎、独身寮等に単身で入居している者は、一人一人を1世帯とする。

(3) 学校の学生寮・寄宿舎に入居している学生・生徒は、棟ごとにまとめて1世帯とする。

(4) 前3号に掲げるもののほか、世帯数の算定方法は、国勢調査の例による。

(り災世帯及び人員の計上)

第14条 り災世帯は、人の現住する建物(付属建物を除く。)又はその収容物がり災したときに計上する。ただし、共同住宅の共用部分のみがり災した場合には、り災世帯数を計上しないものとする。

2 り災人員は、り災世帯の構成人員を計上する。この場合において、寄宿舎、下宿等については被害を受けた部屋の居住人員を計上し、共用部分において受けた火災損害については、実際に被害を受けた人員のみを計上するものとする。

第5章 損害の算定等

(火災損害申告書及びり災物品表)

第15条 調査担当者は、り災者等が火災によって受けた被害の状況を火災損害申告書及びり災物品表(以下「火災損害申告書等」という。)により、り災者等から求めるものとする。

2 調査担当者は、前項に規定する火災損害申告書等が提出された場合は、損害申告書受理表に記載するとともに、当該火災現場において見分した事実に基づき、損害の申告内容の確認に努め、損害算定の参考としなければならない。

3 調査担当者は、第1項に規定する火災損害申告書等が提出された場合は、月ごとにその提出状況を上司に報告しなければならない。

4 火災損害申告書等の保存年限は、3年とする。

(損害額の算定等)

第16条 調査担当者は、調査し、又は収集した各資料に基づき、当該火災等によって生じた損害額の算定を行わなければならない。

2 り災した建物又は物件の損害額は、り災した時点における当該建物又は物件の時価又は原価により算出する。

3 り災した建物又は物件の時価又は原価は、取扱要領別表第4に定める損害額の算出基準又は耐火建物の損害額算出基準によるものとする。

4 り災前の建物又は物件の評価額の算出については、前項の規定を準用する。この場合において「り災した建物又は物件」とあるのは「り災前の建物又は物件」と、「時価又は原価」とあるのは「評価額」と読み替えるものとする。

(損害の算定)

第17条 調査担当者は、当該火災等によって生じた損害について、第2条第2号に規定する損害の区分ごとに算定しなければならない。この場合において、これらの損害が一の物件について重複するときは、焼き損害、消火損害、爆発損害の順位でいずれかに区分して算定するものとする。

(り災世帯の損害区分)

第18条 り災世帯の損害区分及びその内容は、次の各号に掲げるところによる。

(1) 全損 建物(収容物を含む。以下同じ。)の火災損害額が、り災前の建物の評価額の70パーセント以上のものをいう。

(2) 半損 建物の火災損害額が、り災前の建物の評価額の20パーセント以上で全損に該当しないものをいう。

(3) 小損 建物の火災損害額が、り災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。

(損害明細表)

第19条 調査担当者は、火災損害申告書等を基礎として損害額を算出したときは、損害明細表を作成し、火災関係書類に添付しなければならない。

第6章 証明書

(種別)

第20条 火災等に係る証明書(以下「り災証明書等」という。)の種別は、次の各号に掲げるところによる。

(1) り災証明書 火災等によるり災に係る証明書

(2) 火災損害申告証明書 火災損害申告書に係る証明書

(3) 証明書 前2号に掲げるもの以外の火災等の調査に係る証明書

(発行業務)

第21条 前条第1号に規定するり災証明書の発行に係る公印は、当該火災等の発生地を管轄する署の署長印とし、その受付及び発行業務は、各本署及び各出張所において行うものとする。

2 前条第2号に規定する火災損害申告証明書の発行に係る公印は、当該火災等の発生地を管轄する署の署長印とし、その受付及び発行業務は、当該火災等の発生地を管轄する署の警備課において行うものとする。

3 前条第3号に規定する証明書の発行に係る公印は、当該火災等の発生地を管轄する署の署長印とし、その受付及び発行業務は、当該火災等の発生地を管轄する署の警備課において行うものとする。

(発行対象者)

第22条 り災証明書等は、火災等に係るり災物件又は火災損害による物件の所有者、占有者若しくはこれらの者の親族若しくは代理人又は職務に関し必要とする官公署に限り、発行するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、署長の決裁を受けたときは、前項に規定する者以外の者に対して、り災証明書等の発行を行うことができる。この場合において、署長の決裁を受ける前に総務部総務管理課長の合議を受けなければならない。

3 親族又は代理人による場合には、当該親族又は代理人が本人又はその親族の代理人である旨を証する書類の提出を求めるか、又は当該親族又は代理人が本人又はその親族の代理人である旨の確認を行わなければならない。

(申請書)

第23条 り災証明書等を発行するに当たっては、証明を求めようとする者(以下「申請者」という。)から次の各号に掲げる申請書の提出を求めるものとする。

(1) り災証明書交付申請書

(2) 火災損害申告証明書交付申請書

(3) 証明書交付申請書

(様式の特例)

第24条 り災証明書等に係る提出先において、特に様式を定めている場合は当該様式をり災証明書等として、処理することができる。ただし、この場合の受付及び発行業務は、当該火災等の発生地を管轄する署の警備課において行うものとする。

(保存年限)

第25条 り災証明書等の発行に係る関係書類の保存年限は、3年とする。

(証明要領)

第26条 り災証明書等の記載要領は、次の各号に掲げるところによる。

(1) り災証明書 火災詳報及び焼損事故調査報告書に記載した内容に基づき行うものとする。

(2) 火災損害申告証明書 火災損害申告書及びり災物品表に基づき行うものとする。

(3) 証明書 火災等の調査に基づき客観的事実を記載するものとする。

(文書の様式)

第27条 この訓令に定める文書等の様式は、警防部長が定める。

(委任)

第28条 この訓令の施行について必要な事項は、警防部長が定める。

この訓令は、平成11年11月1日から施行する。

(平14.2.25訓令5)

この訓令は、平成14年3月1日から施行する。

(平19.3.27訓令10)

この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

(平19.3.31訓令16)

この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

(平22.3.31訓令5)

この訓令は、平成22年4月1日から施行する。

枚方寝屋川消防組合火災損害調査規程

平成11年10月7日 訓令第35号

(平成22年4月1日施行)

体系情報
第5編 備/第6章 調
沿革情報
平成11年10月7日 訓令第35号
平成14年2月25日 訓令第5号
平成19年3月27日 訓令第10号
平成19年3月31日 訓令第16号
平成22年3月31日 訓令第5号