○枚方寝屋川消防組合防火管理規程
令和3年3月31日
訓令第5号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 防火管理指導(第3条―第12条)
第3章 統括防火管理指導(第13条―第15条)
第4章 防火対象物点検報告(第16条―第19条)
第5章 防火管理講習(第20条・第21条)
第6章 雑則(第22条―第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第8条、第8条の2、第8条の2の2及び第8条の2の3の規定に基づく防火管理に関する指導及び事務処理について必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 防火管理対象物 法第8条第1項に規定する防火対象物をいう。
(2) 統括防火管理対象物 法第8条の2第1項に規定する防火対象物をいう。
(3) 甲種防火管理新規講習 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。以下「規則」という。)第2条の3第1項に規定する甲種防火管理新規講習をいう。
(4) 防火管理業務 法第8条第1項に規定する防火管理上必要な業務をいう。
(5) 防火管理に係る消防計画 法第8条第1項に規定する消防計画をいう。
(6) 自衛消防の組織 規則第3条第1項第1号イ及び規則第51条の8第1項第1号イに規定する自衛消防の組織をいう。
(7) 統括防火管理業務 法第8条の2第1項に規定する防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務をいう。
(8) 全体についての防火管理に係る消防計画 法第8条の2第1項に規定する防火対象物の全体についての消防計画をいう。
(9) 消防用設備等 法第17条第1項に規定する消防用設備等をいう。
(10) 特殊消防用設備等 法第17条第3項に規定する特殊消防用設備等をいう。
(11) 防火対象物点検報告 法第8条の2の2に規定する防火対象物の点検及び報告をいう。
(12) 受託法人等 防火対象物の関係者(所有者、管理者又は占有者をいう。以下同じ。)及び関係者に雇用されている者(当該防火対象物で勤務している者に限る。)以外の者で、防火管理業務の受託を業とする法人等並びに防火対象物の関係者及び関係者に雇用されている者(当該防火対象物の部分の関係者及び関係者に雇用されている者を含む。)以外の者で、統括防火管理業務の受託を業とする法人等をいう。
第2章 防火管理指導
(指導主体)
第3条 消防署長(以下「署長」という。)は、防火管理対象物の管理について権原を有する者(以下「管理権原者」という。)に対し、防火管理を適正に行うよう指導しなければならない。
2 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、当該統括防火管理対象物の全体についての防火管理(以下「統括防火管理」という。)が円滑に行われるよう指導しなければならない。
3 署長は、管理について権原が分かれている防火管理対象物で法第8条の2の規定が適用されないものにあっては、それぞれの管理権原者に対し、相互に連絡して当該防火管理対象物の一体的な防火管理が行われるよう指導しなければならない。
4 署長は、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第4条の2の2に掲げる防火対象物の管理権原者に対し、防火対象物点検報告を適正に行うよう指導しなければならない。
5 署長は、建築物(令第1条の2第3項第2号に規定する防火対象物を除く。)その他の工作物において新築、増築、改築、修繕、模様替えその他の工事、溶接作業等又は引火性の危険物等を使用する作業を行う防火対象物の関係者並びに工事責任者及び作業責任者に対し、工事中及び作業中の防火管理が適正に行われるよう指導しなければならない。
(防火管理者の選任及び解任)
第4条 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理者の選任については、管理権原者を単位として、防火管理業務の実態に応じた適正な防火管理を行うために最も適した者を選任し、届け出るよう指導しなければならない。
2 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理者を解任するときは、防火管理者の存しない期間が生じないよう、速やかに後任の防火管理者を選任し、届け出るよう指導しなければならない。
3 署長は、事故等の事由により防火管理者による防火管理業務の遂行が困難であると認めるときは、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理者の変更その他必要な措置を講ずるよう指導しなければならない。
(防火管理に係る消防計画)
第5条 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理に係る消防計画の重要性を認識させ、防火管理者をして次に掲げる基準に適合する防火管理に係る消防計画を作成し届け出させるとともに、防火管理の基準として活用するよう指導しなければならない。
(1) 防火管理対象物の構造、規模、用途及び収容人員並びに消防用設備等及び特殊消防用設備等の設置状況等を配慮したもので、有効に実践できるものであること。
(2) 具体的かつ簡明であって、防火管理業務に従事する者に徹底できるものであること。
(3) 防火管理対象物の用途に応じた安全な避難体制を確立できるものであること。
(4) 管理権原者及び防火管理者の権限並びに責任について明らかなものであること。
(5) 消火、通報及び避難の訓練の実施時期が定められていること。
(6) 法第14条の2第1項の規定に基づき、予防規程を定める必要のある危険物製造所等が存する防火管理対象物にあっては、当該予防規程との整合性があること。
(7) 統括防火管理対象物における各事業所の防火管理に係る消防計画は、統括防火管理者が作成する全体についての防火管理に係る消防計画と整合性があること。
(8) 規則第3条第2項の規定に基づき防火管理業務の一部委託に係る受託法人等に関する事項を定めるものにあっては、委託する防火管理業務を明記し、受託法人等を自衛消防の組織に組み込む場合は、その任務分担等を組織図に記載させること。
2 署長は、防火管理者に対し、防火管理に係る消防計画が防火管理対象物の実態に即した計画であるよう常に見直しをさせ、次に掲げる場合には、速やかに防火管理に係る消防計画を変更し、届け出るよう指導しなければならない。
(1) 自衛消防の組織の編成の変更、その他自衛消防の組織に関する事項の変更があったとき。
(2) 防火管理対象物の用途変更、増築、改築、模様替え等による消防用設備等及び特殊消防用設備等の点検及び整備に関する事項の変更、避難施設の維持管理に関する事項の変更並びに防火上の構造の維持管理に関する事項の変更があったとき。
(3) 消火活動、通報連絡及び避難誘導に関する事項の変更があったとき。
(4) 防火管理業務の一部を委託した場合又は受託法人等の変更等委託内容の変更若しくは委託を解約したとき。
(5) その他防火管理に係る消防計画で予定しなかった事情が出現したとき。
(消防訓練)
第6条 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理に係る消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練又は全体についての防火管理に係る消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練(以下「消防訓練」という。)を定期的かつ効果的に実施するよう指導しなければならない。
2 署長は、前項の規定によるほか、必要に応じて別に定める防火管理体制指導マニュアルに基づき、訓練を実施するよう指導するものとする。
(訓練の通報)
第7条 署長は、規則第3条第11項の規定による消火訓練及び避難訓練を実施する旨の通報にあっては、自衛消防訓練通知書(以下「訓練通知書」という。)によって行うよう指導しなければならない。ただし、電話又はファックス等によって通報を受け、訓練通知書に求められる内容が確認できたときは、この限りでない。
2 署長は、前項ただし書の規定により訓練通知書に求められる内容が確認できたときは、訓練通知書を1部作成し、受付に係る消防情報システムによる処理(以下「システム処理」という。)をするものとする。
(現地における訓練指導)
第8条 署長は、防火対象物の関係者、防火管理者又は統括防火管理者から、消防訓練実施時における指導を求められたときは、現地において指導を行うことができる。
2 署長は、前項ただし書の規定により結果報告書に求められる内容が確認できたときは、結果報告書を1部作成し、システム処理をするものとする。
(自衛消防の組織)
第10条 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、出火時の初動態勢を円滑かつ効果的に行えるよう自衛消防の組織の編成を指導しなければならない。
2 署長は、ホテル、病院、社会福祉施設等多数の者が就寝する防火管理対象物の管理権原者に対し、夜間における災害発生時に、宿泊者等が安全に避難できるよう自衛消防体制の確立を指導しなければならない。
3 署長は、物品販売店舗等不特定多数の者が出入りする防火管理対象物の管理権原者に対し、災害発生時に、来店者等が安全に避難できるよう自衛消防体制の確立を指導しなければならない。
(防火管理業務に係る受託法人等の指導)
第11条 署長は、防火管理対象物の管理権原者に対し、防火管理業務の一部を受託法人等に委託する場合、受託法人等の業務体制、知識、技能等に配意するとともに、当該防火管理対象物の防火管理業務が円滑に実施されるよう指導しなければならない。
(工事中の消防計画)
第12条 署長は、建築基準法(昭和25年法律第201号)第7条の6第1項第1号又は第2号に規定する仮使用の認定に係るもの又は増築、改築、移転、大規模の修繕等若しくは模様替えの工事中の防火対象物で、かつ、通路、階段及びこれに通ずる出入口その他の避難施設の工事又は消防用設備等の機能に著しい影響を及ぼす工事などを行う際は、当該防火対象物の関係者、防火管理者、防災管理者又は工事責任者に対し、安全上、防火上及び避難上支障がないよう工事中の消防計画届出書を提出させ、安全管理を図るよう指導しなければならない。
第3章 統括防火管理指導
(統括防火管理者の選任及び解任)
第13条 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、統括防火管理者の選任については、統括防火管理業務の実態に応じた適正な統括防火管理を行うために最も適した者を協議して選任し、届け出るよう指導しなければならない。
2 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、統括防火管理者を解任するときは、統括防火管理者の存しない期間が生じないよう、速やかに後任の統括防火管理者を協議して選任し、届け出るよう指導しなければならない。
3 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、統括防火管理者が事故等の事由により統括防火管理者の業務の遂行が困難であると認めるときは、統括防火管理者の変更その他必要な措置を講ずるよう指導しなければならない。
(全体についての防火管理に係る消防計画)
第14条 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、全体についての防火管理に係る消防計画の重要性を認識させ、統括防火管理者をして次に掲げる基準に適合する全体についての防火管理に係る消防計画を作成して届け出させるとともに、統括防火管理の基準として活用するよう指導しなければならない。
(1) 統括防火管理対象物の構造、規模、用途及び収容人員並びに消防用設備等及び特殊消防用設備等の設置状況等を配慮したもので、有効に実践できるものであること。
(2) 各事業所において協調し、及び遵守できるものであること。
(3) 具体的かつ簡明で実行可能な内容であること。
(4) 管理権原者、統括防火管理者及び防火管理者の権限及び責任について明らかなものであること。
(5) 統括防火管理業務の一部を受託法人等に委託するものにあっては、第5条第8号の規定に準ずること。
(6) 防火対象物の全体についての消火、通報及び避難の訓練の実施時期が定められていること。
(7) 統括防火管理対象物の用途に応じた安全な避難体制を確立できるものであること。
(8) 火災、地震その他の災害が発生した場合における活動を円滑かつ効果的に行うことができるものであること。
(9) 火災の際の消防隊に対する提供資料及び消防隊の誘導要領について定められていること。
(10) 法第14条の2第1項の規定に基づき、予防規程を定める必要のある危険物製造所等が存する統括防火管理対象物にあっては、当該予防規程との整合性があること。
2 署長は、統括防火管理者に対し、全体についての防火管理に係る消防計画が当該統括防火管理対象物の実態に即した計画であるよう常に見直しをさせ、次に掲げる場合には、速やかに全体についての防火管理に係る消防計画を変更し届け出るよう指導しなければならない。
(1) 管理権原者の変更があったとき。
(2) 管理権原者の権原の範囲の変更があったとき。
(3) 統括防火管理業務の一部を受託法人等に委託した場合又は受託法人等の変更等委託内容の変更若しくは委託を解約したとき。
(4) 避難施設の維持管理に関する事項の変更があったとき。
(5) 消火活動、通報連絡及び避難誘導に関する事項の変更があったとき。
(6) 消防隊に対する情報提供及び消防隊の誘導に関する事項の変更があったとき。
(7) その他全体についての防火管理に係る消防計画で予定しなかった事情が出現したとき。
(統括防火管理業務に係る受託法人等の指導)
第15条 署長は、統括防火管理対象物の管理権原者に対し、統括防火管理業務の一部を受託法人等に委託する場合、受託法人等の業務体制、知識、技能等に配意するとともに、当該統括防火管理対象物の統括防火管理業務が円滑に実施されるよう指導しなければならない。
第4章 防火対象物点検報告
(防火対象物点検報告に係る指導事項)
第16条 署長は、防火対象物点検報告について関係法令の規定によるほか、次に掲げるところにより指導するものとする。
(1) 防火対象物点検報告に使用する様式は、「消防法施行規則第4条の2の4第3項の規定に基づき、防火対象物の点検の結果についての報告書の様式を定める件」(平成14年消防庁告示第8号)に規定する別記様式第1の防火対象物点検結果報告書(以下「防火対象物点検結果報告書」という。)、同告示に規定する別記様式第2の防火対象物点検票及び枚方寝屋川消防組合火災予防規則(平成24年枚方寝屋川消防組合規則第9号)第6条第2項に規定する様式第1号の点検票(以下「防火対象物点検票」という。)とし、原則として管理権原者の権原を有する範囲を単位として作成させ、一の防火対象物に二以上の管理権原者が存する場合は、個々の管理権原者ごとに報告させること。
(2) 統括防火管理対象物の場合は、努めて当該防火対象物の管理権原者のうち所有者等の主要な者に、個々の管理権原者の行った防火対象物点検報告を取りまとめたうえ、一斉に報告させること。
(防火対象物点検報告の報告時期)
第17条 署長は、防火対象物点検報告を規則第4条の2の4第1項の規定に基づき定期に実施させるとともに、次により取り扱うものとする。
(1) 新たに法第8条の2の2第1項に規定する防火対象物(以下「点検義務対象物」という。)に該当することとなった場合の最初の防火対象物点検報告は、該当することとなった日を基準に、定期に行うこと。
(2) 防火対象物点検特例認定が失効又は取消しを受けた場合、それぞれ当該事由が発生した日を基準に、定期に行うこと。
(防火対象物点検報告に係る書類審査)
第18条 防火対象物点検報告の書類審査については、次に掲げるところによるものとする。
(1) 防火対象物点検報告の対象が点検義務対象物であること。
(2) 届出者が適正な管理権原者であること。
(3) 防火対象物点検票に「否」がある場合は、その不備内容等が明確に記入されていること。
2 署長は、防火対象物点検結果報告書及び防火対象物点検票が適正でないものについては、内容の補正を行うよう指導するものとする。
3 署長は、防火対象物点検票の点検結果に「否」がある場合は、防火対象物点検特例認定を3年間受けることができないこと等、届出者に不利益があることを教示するものとする。
4 署長は、点検義務対象物に該当しない防火対象物の管理権原者から報告があった場合は、報告書を受理しないものとする。
5 署長は、書類審査の結果、特に必要があると認めたときは、枚方寝屋川消防組合査察規程(平成18年枚方寝屋川消防組合訓令第2号)に基づき立入検査等を実施するものとする。
(点検報告の特例認定)
第19条 法第8条の2の3の規定に基づく特例認定に係る事務処理に関して必要な事項は、別に定めるところによる。
第5章 防火管理講習
(防火管理講習)
第20条 消防長が行う甲種防火管理新規講習の事務処理について必要な事項は、別に定めるところによる。
(その他の講習)
第21条 消防長又は署長は、特に必要であると認めるときは、前条に掲げる講習以外の講習を行うことができる。
第6章 雑則
(資料の提出)
第22条 署長は、防火管理の指導のため必要があると認めるときは、管理権原者、防火管理者又は統括防火管理者に、資料の提出を求めるものとする。
(住所・名称・氏名変更届)
第23条 署長は、防火対象物の所在地、名称及び氏名等の変更があったときは、住所・名称・氏名変更届により届け出るよう指導しなければならない。ただし、消防職員が変更に係る確認ができたものにあっては、この限りでない。
2 前項に定めるもののほか、各種届出に係る事務処理に関して必要な事項は、別に定めるところによる。
(予防情報の整備)
第25条 署長は、防火対象物台帳(建築確認同意、消防用設備等事務処理規程(平成19年枚方寝屋川消防組合訓令第7号)第2条第3号に規定する防火対象物台帳をいう。)を常に整備しておかなければならない。
(協議)
第26条 署長は、防火管理の指導について、この規程によりがたい場合は、消防長と協議するものとする。
(文書等の様式)
第27条 この訓令に定める文書等の様式は、予防部長が定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、令和3年4月1日から施行する。
(防火管理規程の廃止)
2 防火管理規程(平成19年枚方寝屋川消防組合訓令第8号)は、廃止する。