○枚方寝屋川消防組合救急隊運用規程

平成3年5月31日

訓令第11号

目次

第1章 総則(第1条~第13条)

第2章 出場(第14条~第16条)

第3章 活動(第17条~第22条)

第4章 搬送(第23条~第31条)

第5章 教育及び訓練(第32条)

第6章 安全管理及び感染防止(第33条~第37条)

第7章 記録と報告(第38条~第40条)

第8章 雑則(第41条~第44条)

第1章 総則

(目的)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第2条第9項及び第35条の5の規定に基づくほか、救急業務実施基準について(昭和39年自消甲教発第6号。以下「救急業務実施基準」という。)に基づき救急隊(以下「小隊」という。)に必要な事項を定めることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この訓令における用語の意義は、次の各号のとおりとする。

(1) 救急業務とは、救急活動を円滑に遂行するために必要な活動及び救急情報の収集、応急手当の普及啓発等の業務をいう。

(2) 救急活動とは、救急業務実施基準第2条第1項に定める救急業務をいい、医師搬送、資器材輸送、転院搬送、その他消防長が必要と認める救急隊の活動をいう。

(3) 小隊とは、救急自動車(以下「救急車」という。)1台及び救急隊員(以下「隊員」という。)3名以上をもって、救急活動を遂行するため編成した隊をいう。

(4) 隊員とは、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第44条第3項第1号で定める課程を終了した者、又は令第44条第3項第2号で定める、これと同等以上の学識経験を有する者をいう。

(5) 医療機関とは、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に定める病院及び診療所をいう。

(6) 医療機関等とは、医療機関及びその他傷病者を収容、処置できる施設又は場所をいう。

(7) 救急病院とは、救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づく医療機関等をいう。

(8) 救急現場とは、救急活動の対象となる傷病者等のある場所をいう。

(9) 救急車とは、道路運送車両法の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)に定める緊急自動車の基準に適合し、救急業務実施基準第9条の要件を備えた車両をいう。ただし、必要がある場合は、救急車以外の車両をもって臨時に編成する場合がある。

(小隊の編成)

第3条 小隊の編成は、令第44条第1項に基づき救急小隊長(管理隊長が救急業務に従事する場合は管理隊長。以下「小隊長」という。)及びその他の隊員2名以上をもって編成する。

2 小隊長は、消防司令又は消防司令補の階級にある者、小隊長代行は、消防司令補又は消防士長の階級にある者をもって充てる。

(隊員の選任)

第4条 消防長は、令第44条第3項に規定する資格を有する者のうちから隊員を選任しなければならない。

(署長及び隊員の任務)

第5条 消防署長(以下「署長」という。)は、所属隊の行う救急業務を掌理し、隊員を指揮監督する。

2 小隊長は、上司の命を受けて救急業務に従事し、隊員を指揮監督する。

3 隊員は、小隊長の指揮に従って救急業務を適正に行わなければならない。

(小隊の配置)

第6条 小隊の数及び配置場所等は、別に定める。

(小隊の装備及び点検)

第7条 救急車には、救急業務実施基準第13条に基づき、救急隊員の行う応急処置等に必要な資器材等を積載する。

2 救急車に積載された資器材等は、運行前点検を実施し機能の保持に努めなければならない。

(非常用救急車の運用)

第8条 救急車が車検・整備・消毒その他の事由により運用できない場合は、非常用救急車で運用するものとする。

(隊員の服装)

第9条 隊員は、枚方寝屋川消防組合消防吏員服制規則(昭和60年枚方寝屋川消防組合規則第12号)に定められた救急服を着用する。ただし、氷室救急小隊の隊員の服装については、警防部長が別に定める。

(隊員の研修及び訓練)

第10条 警防部長は、隊員の資質の高揚を図るため、救急業務に関する研修を実施しなければならない。

2 署長は、前項の研修のほか、隊員に対して必要に応じ研修等を実施するものとする。

3 隊員は、前項の研修のほか、救急業務に必要な知識及び技術の修得向上のための自己啓発に努めなければならない。

(応急手当の普及啓発)

第11条 署長は、小隊の適正利用について市民の理解が得られるよう広報に努めるとともに、救急事故等の防止及び受傷・発病時の応急処置について、随時又は定期的に救急応急処置講習会等を行うものとする。

2 前項の救急応急処置講習会は、枚方寝屋川消防組合応急手当の普及啓発活動の推進に関する要綱(平成24年枚方寝屋川消防組合要綱第7号)に基づき実施するものとする。

(救急情報の収集)

第12条 警防部長及び署長は、救急業務を円滑に運営するために必要な情報を収集し適正に管理、活用しなければならない。

2 署長は、管理区域内の救急医療体制の掌握に努めなければならない。

3 小隊は、救急業務の円滑な実施を図るため原則として管内の医療機関を随時訪問し、必要な事項について調査するものとする。

4 前項の救急医療体制の変動を掌握したときは、速やかに警防部長に報告しなければならない。

5 小隊は、管内の地勢及び交通の状況を必要に応じて調査するものとする。

6 その他、救急業務上必要と認める事項。

(関係機関の連絡)

第13条 警防部長及び署長は、救急業務に関係ある機関及び団体と緊密な連絡調整を図り、救急業務の円滑な推進に努めなければならない。

第2章 出場

(出場隊の選定)

第14条 出場隊の選定は、原則として救急現場の直近にある隊から選定する。ただし、氷室救急小隊の出動範囲については、警防部長が別に定める。

(出場基準の原則)

第15条 小隊の出場は、警防規程第53条に定めるとおりとする。ただし、緊急の場合で出動指令を待ついとまがないとき、又は、消防長が必要と認める場合の出場は、この限りでない。

(管外出場)

第16条 管外等で発生した災害に対しては、消防相互応援協定等に基づき隊を出場させることがある。ただし、消防長が必要と認めたとき、当該協定等に基づかない場合がある。

第3章 活動

(活動の原則)

第17条 小隊は、法第35条の5に定める傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準並びに救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号。以下「応急処置等の基準」という。)に基づき活動することを原則とし、併せて傷病者の状況判断を的確に把握し、負傷者の症状の悪化防止を目的に、その症状に適した医療を速やかに受けられるように、次に掲げるところにより救急活動を行わなければならない。

(1) 傷病者の観察等を行い、的確に傷病者の状態を判断すること。

(2) 適切な応急処置を行い、適正に傷病者を管理すること。

(3) 傷病者をその症状に応じた医療機関等に迅速に搬送すること。

(4) 必要に応じて、迅速に医師搬送、資器材等の輸送を行うこと。

(指揮命令の原則)

第18条 警防規程第58条に定めるほか次のとおりとする。

(1) 小隊長は、自小隊を統括するとともに変化に即応した体制がとれるように努めなければならない。

(2) 救急活動において、部隊等が編成された場合は前号にかかわらず、現場最高指揮者の指揮を受けるものとする。

(応急処置の実施)

第19条 傷病者に対する観察及び応急処置は、応急処置等の基準に基づき実施するものとする。

2 救急救命士の資格を有する救急隊員が行う傷病者に対する観察及び応急処置は、救急救命士法(平成3年法律第36号)に基づき実施するものとする。

(医師の要請)

第20条 小隊長は、傷病者を搬送することにより、傷病者の容体を悪化させ著しく生命に危険を及ぼす恐れがあると認められるとき、又は搬送可否の判断が困難な場合には、情報指令課へ医師の派遣を要請し、その指示による必要な処置を講ずるものとする。

2 救出活動等を要する傷病者で、救急現場において医師の処置が必要なとき。

3 救急現場に近い医療機関で応急処置を受けたのち、再搬送を要する重篤な傷病者で医師の同乗が必要なとき。

4 その他救急活動上医師の出動が必要であると認めるとき。

5 小隊長は、前各項により医師の要請をした場合、別に定める救急業務協力医師謝礼金支給要綱に基づき諸手続きをするものとする。

(警察官等の要請)

第21条 小隊長は、救急事故現場で傷病の原因に犯罪の疑いがあると認められる場合及び現場の状況等から警察官等の立合いを要すると判断した場合は、情報指令課に警察官及び関係機関の出動要請の連絡をするものとする。

(連絡及び報告)

第22条 小隊長は、出動・到着・現場状況・傷病者の症状・病院到着・帰署所、救急活動の状況等については、車両端末装置等を用いて情報指令課に報告するものとする。

2 救急活動中、救急業務遂行上に有用な情報を入手したときは、速やかに車両端末装置等を用いて情報指令課に報告するものとする。

第4章 搬送

(医療機関の選定)

第23条 医療機関の選定は、法第35条の5に定める傷病者の搬送及び傷病者の受入れの実施に関する基準に基づき、傷病者観察の結果等を総合的に判断して、傷病者に最も適した医療機関を選定するものとする。

(搬送を拒んだ者の取扱)

第24条 小隊長は、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合は、これを搬送しないものとする。ただし、搬送をしないこととした場合は、その理由を明確にするために救急活動記録書に経過、立会人、その他必要事項を記録しておかなければならない。

(死亡者の取扱)

第25条 小隊長は、傷病者の死亡が明らかである場合、又は医師が死亡していると診断したときは搬送しないものとし、警察官又は当該傷病者の家族等関係者に引き継ぐことを原則とする。

(転院搬送時の医師の同乗)

第26条 小隊長は、転院搬送を行うときは、傷病者管理のため、傷病者を収容中の医療機関の医師の同乗を求めるものとする。ただし、当該医療機関の医師の同乗を要しないと判断した場合は、医師に必要な指示を求めるものとする。

(関係者の同乗)

第27条 小隊長は、救急活動の実施に際し必要があると認める場合及び傷病者の関係者又は警察官から同乗の要請があった場合は、救急活動上支障がないと認められる範囲においてこれに応ずるものとする。ただし、同乗人員は最小限にとどめること。

2 小隊長は、未成年者、意思表示のできない傷病者等を搬送する場合は、関係者等に同乗を求めるものとする。

(現場保全)

第28条 小隊長は、傷病の原因に犯罪の疑いがあると認めたときは、現場の保存及び証拠の保全に努めなければならない。

(所持品等の取扱)

第29条 小隊長は、傷病者の救護にあたり所持品を次に定めるところにより処理するものとする。

2 搬送に際しては、遺留品の有無を点検すること。

3 身元確認のため所持品を調査する必要があると認められるときは、警察官に依頼するか医師その他第三者の立ち会いのうえ行うこと。

(傷病者の引き渡し)

第30条 小隊長は、傷病者を医療機関等へ収容する場合、傷病の原因、症状の経過、行った応急処置等、必要な事項を伝達したのち、医師等に引き継ぐものとする。

(家族への連絡)

第31条 小隊長は、必要があると認められるときは、その家族に対し傷病程度又は状況並びに搬送先医療機関名等を連絡するよう努めるものとする。

第5章 教育及び訓練

(教育及び訓練)

第32条 署長は、救急業務を行うに必要な知識及び技術を修得させるとともに、隊員の救急救命技術の向上並びに体力の向上を図るため、警防規程第113条及び第114条に基づき計画的な訓練を実施するように努めなければならない。ただし、教育訓練の実施のため必要と認める場合は、消防長に指導者の派遣を要請することができる。

2 前項にいう、教育訓練は次により実施するものとする。

(1) 署所訓練 所属の小隊ごとに行う訓練 週1回以上

(2) 所属訓練 所属において各小隊合同で行う訓練 月1回以上

(3) 特別訓練 本部主担課の指示する訓練 その都度

(4) その他の訓練 業務執行のために必要な教育訓練 その都度

3 新たに選任された隊員の救急活動に必要な知識及び実技の習得にかかる教養並びに実技指導は、小隊長が行う。

第6章 安全管理及び感染防止

(安全管理)

第33条 枚方寝屋川消防組合における訓練時安全管理要綱(昭和60年枚方寝屋川消防組合訓達第3号)等に基づき、常に衛生と安全の確保に努めること。

(感染防止対策等)

第34条 警防部長は、隊員がウイルス性感染症及びこれと疑われる傷病者と接触した場合における対応体制を確立しておくものとする。

2 署長は、隊員が前項の傷病者を取扱ったときは、直ちに警防部長へ報告するとともに、適切な措置を講ずるものとする。

(感染防止措置)

第35条 隊員は、救急業務の実施にあたっては、別に定める感染防止対策要領を遵守しなければならない。

(隊員の健康管理)

第36条 隊員は、手指・被服等を常に清潔にするとともにウイルス性感染症の正しい知識を修得し、病原菌等からの感染防止に努め、日常の健康管理に十分留意しなければならない。

2 警防部長は、隊員の健康管理のために特別健康診断及び予防接種等を行わなければならない。

(救急車の消毒)

第37条 救急車及び救急資器材等は、常に清潔保持に努めること。

第7章 記録と報告

(報告要領)

第38条 救急業務の報告要領については、この規程に定めるもののほか救急事故等報告要領(昭和39年自消甲教発第18号)及び火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号)の定めるところによる。

2 小隊は、救急活動を行ったときは、支援情報系端末装置処理要領等に基づき報告及び決裁の処理をしなければならない。

(救急速報)

第39条 署長は、救急事案が特異であると認めるときは、別に定めるところにより速やかに消防長に報告しなければならない。なお、速報は前条の報告要領に基づき、報告及び決裁の処理をしなければならない。

第40条 削除

第8章 雑則

(要保護傷病者等の送院通知等)

第41条 署長は、所属する救急小隊が、傷病者又は同伴者等の事情聴取等から判断して、責任ある家族、関係者等の引取者がなく、かつ治療費の支弁能力がなく、次のいずれかに該当すると思われる傷病者を、医療機関へ搬送した場合は、救急現場を管轄する福祉事務所長に通知しなければならない。

(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に定める要保護傷病者

ただし、既に被保護者とされている傷病者に対する通知については、必要に応じて行うものとする。

(2) 行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)に定める行旅病人又は行旅死亡人に準ずる者

(法定伝染病患者の取扱)

第42条 医師が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に定められる感染症及び感染症疑似傷病者(以下「感染症傷病者等」という。)と判断した場合は、これを搬送しないものとする。ただし、四類感染症及び五類感染症を除く。

2 小隊長は、事後において感染症傷病者等を搬送したと判明したときは、当該救急事故等の発生した場所を管轄する保健所長に通報するとともに関係法令に定める措置を講ずるものとする。

(搬送証明の発行及び照会回答等)

第43条 署長は、救急活動に関する証明書の発給並びに裁判所、捜査機関もしくはこれら以外の関係機関等から照会があった場合の回答及び所属職員の出頭、供述等を求められた場合の取扱いについては、別に定めるところにより行わなければならない。

(検討会)

第44条 警防部長又は署長は、救急活動において特異な事象及び今後の活動に役立てるために、救急事故の原因を解明し事故の再発防止を図るための、検討会を開催しなければならない。

1 この訓令は、平成3年6月5日から施行する。

2 救急業務運用規程(昭和53年3年28日訓令第5号)は、廃止する。

(平14.2.28訓令7)

この規程は、平成14年3月1日から施行する。

(平15.3.28訓令6)

この訓令は、平成15年4月1日から施行する。

(平17.3.31訓令31)

この訓令は、平成17年4月1日から施行する。

(平18.3.31訓令7)

この訓令は、平成18年4月1日から施行する。

(平19.3.31訓令16)

この訓令は、平成19年4月1日から施行する。

(平26.3.26訓令1)

この訓令は、平成26年4月1日から施行する。

(平27.3.31訓令12)

この訓令は、平成27年4月1日から施行する。

(平29.3.31訓令3)

この訓令は、平成29年4月1日から施行する。

枚方寝屋川消防組合救急隊運用規程

平成3年5月31日 訓令第11号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第5編 備/第2章
沿革情報
平成3年5月31日 訓令第11号
平成14年2月28日 訓令第7号
平成15年3月28日 訓令第6号
平成17年3月31日 訓令第31号
平成18年3月31日 訓令第7号
平成19年3月31日 訓令第16号
平成26年3月26日 訓令第1号
平成27年3月31日 訓令第12号
平成29年3月31日 訓令第3号