○枚方寝屋川消防組合危険物流出等事故原因調査規程

平成25年10月1日

訓令第18号

目次

第1章 総則(第1条~第8条)

第2章 調査の原則(第9条~第11条)

第3章 調査(第12条~第20条)

第4章 書類の作成(第21条~第23条)

第5章 雑則(第24条~第27条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づく危険物の流出その他の事故の原因の調査に関し、別に定めがあるもののほか、必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 危険物流出等の事故 法第16条の3の2第1項に規定する事故をいう。

(2) 危険物施設 法第11条第1項の規定による許可を受けた製造所、貯蔵所又は取扱所をいう。

(3) 調査 法第16条の3の2第1項の規定により行う事故の原因調査をいう。

(4) 調査員 調査に従事する予防部保安対策課員及び消防長が指名した者をいう。ただし、消防長が事故の規模等を勘案し必要と認めた場合については、消防署長に調査の応援を求めることができる。

(5) 関係のある場所 危険物流出等の事故の原因となった場所及び危険物が危険物施設外に流出した場所をいう。

(6) 関係者 当該事故が発生した危険物施設又は関係のある場所の所有者、管理者又は占有者をいう。

(調査の目的)

第3条 調査は、危険物流出等の事故の原因を明らかにし、その調査結果を日常の指導及び立入検査に反映させることにより、類似の事故の再発を防止し、もって火災予防の充実を図ることを目的として行う。

(調査の実施)

第4条 消防長は、危険物施設で発生した危険物流出等の事故を覚知したときは、直ちに調査に当たらなければならない。

2 調査の実施に当たっては、この訓令に定めるもののほか「危険物流出等の事故調査要領」によること。

(調査本部の設置)

第5条 消防長は、危険物流出等の事故が発生した場合において、必要があると認めるときは、調査本部を設置することができる。

(調査本部の解散)

第6条 消防長は、調査が完了したときは、調査本部を解散する。ただし調査の進捗状況によっては、調査完了前であってもこれを解散することができる。

(調査員の心得)

第7条 調査員は、調査に必要な知識及び技術の修得に努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。また、調査員は相互に連絡協調して原因の探究に当たらなければならない。

(1) 警察機関その他の機関と緊密な連携を保持して調査に当たること。

(2) 適正公平を旨とし、強制的手段を避け、穏健妥当な方法により、関係者の協力を得るように留意すること。

(3) 調査上知り得た関係者の秘密をみだりに他に漏らさないこと。

(4) 調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないよう努めること。

(5) 調査の経過その他参考となるべき事項を記録し保存すること。

(詳細調査の実施対象)

第8条 次に掲げる事故については、特に詳細な調査を実施するものとする。

(1) 危険物施設(製造所及び一般取扱所を除く。)から危険物が10キロリットル以上流出した事故

(2) 製造所又は一般取扱所から危険物が指定数量(危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第1条の11に規定する数量をいう。)の10倍以上流出した事故

(3) 地下に埋設されたタンク又は配管から危険物が指定数量以上流出し、又は敷地外に流出した事故

(4) 危険物の流出に起因し、死者が発生した事故

(5) 容量500キロリットル以上の屋外貯蔵タンクの基礎、地盤、タンク本体(屋根、浮き屋根又はインナーフロートタンクの浮き蓋を含む。)が破損、変形、沈下、傾斜その他の異常な状態となった事故

(6) 高速道路上において移動タンク貯蔵所から危険物が流出した事故

(7) 前各号に掲げるもののほか、消防長が類似事故の防止及び予防対策の必要性等の観点から詳細な事故原因調査を行う必要があると認めた事故

第2章 調査の原則

(調査の原則)

第9条 調査は、危険物流出等の事故が発生した原因を調べるほか、発生に至った経緯、発生前、発生時の作業の状況、事故の模様、関係者の講じた措置、被害状況等を明らかにするものとし、物的調査と人的調査を相関的に併せ行わなければならない。

2 調査員は、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により、危険物流出等の事故の原因を究明しなければならない。

(立入検査)

第10条 消防長は、法第16条の3の2第2項の規定により、調査のため必要があるときは、調査員に危険物流出等の事故が発生した場所及びその他の当該事故に関係のある場所の立入検査を行わせるものとする。

2 調査員は、前項の規定による立入検査に際しては、法第4条第1項ただし書及び第2項から第4項までの規定を遵守しなければならない。

3 調査員は、第1項の規定による立入検査に際し、関係者の承諾及び立会いを得て行うものとする。

(立入検査証票の携帯)

第11条 調査員は、調査に際し、関係のある場所に立ち入る場合においては、枚方寝屋川消防組合職員の証票に関する規則(平成13年枚方寝屋川消防組合規則第11号)の規定に基づく証票を携帯し、関係のある者の請求があるときは、提示しなければならない。

第3章 調査

(危険物流出等の事故発生前の状況把握)

第12条 調査員は、実況見分を行うに当たっては、関係者を立ち会わせ、危険物流出等の事故の発生前の状況を明らかにするよう努めなければならない。

(現場における即報)

第13条 調査員は、危険物流出等の事故の現場において見分した結果、推定した流出等の原因及びその経緯の概要を危険物流出等の事故調査書(様式第1号)により消防長に即報するものとする。

2 調査員は、現場において調査・推定原因等を他に発表し、又は漏らしてはならない。

(実況見分)

第14条 調査員は、法第16条の3の2の規定に基づき、危険物流出等の事故現場その他関係のある場所における実況を綿密詳細に見分して、原因判定資料の発見入手に心がけなければならない。

2 調査員は、前項の規定による実況見分をしたときは、危険物流出等の事故の実況見分調書(様式第2号)に、そのてん末を記載しておかなければならない。

(質問調書)

第15条 質問調書の作成に当たっては、原因究明上特に重要と認める事項を聴取し録取するものとする。

2 調査員は、危険物流出等の事故発生前の状況、危険物流出等の事故発生後の関係者等の行動等について、発見者、関係者から任意の供述を得るよう心がけなければならない。

3 調査員は、危険物流出等の事故の第1発見者に対しては事故発見時の状況を、その他関係者に対しては危険物流出等の事故発生前後の状況等を質問しなければならない。

4 調査員は、質問を行うに当たり、自己が期待し、又は希望する供述を求めるため、関係者に暗示する等みだりにその供述を誘導してはならない。

5 調査員は、質問により聴取した内容を危険物流出等の事故の質問調書(様式第3号)に録取するものとする。この場合において、被質問者にその内容を閲覧させ、又は読み聞かせ、誤りがないことを確認し、署名を求めるものとする。被質問者が署名を拒否した場合は、質問調書にその旨を記載するものとする。

6 通訳人を介して質問調書を作成したときは、質問調書に当該通訳人の署名を求めなければならない。

7 質問調書には、質問開始日時、質問終了日時及び質問場所を記載するとともに、当該調書の作成者は、当該調書に署名しなければならない。

(伝聞の排除)

第16条 調査員は、質問を行うに当たっては、直接に経験した事実の陳述を得るように努めなければならない。

(資料の任意提出・任意報告)

第17条 調査員は、調査する上で必要があると認めるときは、関係者の任意の協力により、必要な資料の提出又は報告を求めることができる。

(資料提出命令・報告命令)

第18条 消防長は、前条の規定により必要な資料の提出又は報告を得ることができない場合は、法第16条の3の2第2項の規定により、関係者に資料の提出又は報告を命ずることができる。

2 前項の規定による資料の提出又は報告を命ずるときは、資料提出命令書(様式第4号)又は資料報告命令書(様式第5号)により行うものとする。

(資料及び報告書の受領、保管等)

第19条 前条の規定により資料が提出された場合は、当該資料の所有権放棄の意思の有無を確認するため、資料提出書(様式第6号)の提出を求めるものとする。ただし、任意により提出を求めた場合で、当該資料を提出した者(以下「提出者」という。)がその所有権を放棄する旨の意思表示をしたときはこの限りでない。

2 前項の場合において、放棄しない場合は提出資料保管書(様式第7号)を交付し、当該危険物流出等の事故原因が決定するまでの間、当該資料を保管し、事故原因が決定した後、速やかに交付した提出資料保管書を確認の上、当該資料を提出者に返還しなければならない。その際、返還を受けた旨の受領書(様式第8号)に受領年月日の記入、受領者の署名を求めなければならない。

3 前条第1項の規定により報告があった場合は、報告受領書(様式第9号)を交付しなければならない。

(資料の保管・整理)

第20条 消防長は、前2条の規定により提出された資料は、提出資料記録書及び保管物品一覧表に記録して整理するとともに、資料整理票を当該資料に添付し、保管しなければならない。

2 消防長は、資料の保管に当たっては、当該資料の証拠価値を棄損しないよう細心の注意を払うものとし、保管中にその性状を失い、又は変質するものにあっては、これを防止するための適切な処置を講じて保管しなければならない。

第4章 書類の作成

(原則)

第21条 調査員は、書類の作成に当たっては、枚方寝屋川消防組合文書取扱規程(平成10年枚方寝屋川消防組合訓令第10号)及び枚方寝屋川消防組合公文規程(平成10年枚方寝屋川消防組合訓令第11号)を遵守しなければならない。

(調査書類)

第22条 予防部長は、調査を終了したときは、危険物流出等事故発生調査報告書(様式第10号)を作成し、消防長に報告するとともに、危険物流出等の事故の保管品目録(様式第11号)に必要事項を記載し、次に掲げる書類のうち該当する書類を整理編冊するものとする。

(1) 危険物流出等の事故の実況見分調書

(2) 危険物流出等の事故の質問調書

(3) 資料提出命令書

(4) 資料報告命令書

(5) 資料提出書

(6) 資料提出保管書

(7) 受領書

(8) 報告受領書

(9) 危険物流出等事故発生調査報告書

(10) 危険物流出等の事故の保管品目録

(11) その他必要な書類

(国等への報告)

第23条 消防長は、消防組織法(昭和22年法律第226号)第40条に規定する報告を行わなければならない。

2 前項に規定する報告のうち事故即報については、「火災・災害等即報要領」(昭和59年10月15日消防災第267号。以下「即報要領」という。)に基づき、指令課を通じ行うものとする。

3 調査後の報告については、「危険物に係る事故及びコンビナート等特別防災区域における事故の報告」(平成13年8月19日消防危第85号、消防特第175号)により行うものとする。

第5章 雑則

(編冊保存)

第24条 消防長は、この訓令に基づき処理した関係書類については、編冊、保存するものとする。

(書類の保存年限)

第25条 前条に規定する関係書類の保存年限は、10年とする。

2 次の各号に掲げる関係書類は、永年保存とする。

(1) 即報要領の即報基準に該当するもの

(2) 官公庁から文書照会があったもの

(3) 社会的に影響の大きかったもの

(4) 前3号に掲げるもののほか、予防部長が特に必要と認めるもの

(危険物流出等の調査書等の開示)

第26条 調査業務において収集した個人情報の取扱い及び関係書類等の開示請求については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び枚方寝屋川消防組合情報公開条例(平成13年枚方寝屋川消防組合条例第1号)によるものとする。

(委任)

第27条 この訓令の施行について必要な事項は、別に定める。

この訓令は、平成25年10月1日から施行する。

(令3.1.18訓令1)

この訓令は、令達の日から施行する。

(令和5年3月23日訓令第6号)

この訓令は、令和5年4月1日から施行する。

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枚方寝屋川消防組合危険物流出等事故原因調査規程

平成25年10月1日 訓令第18号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第4編 防/第5章 事故処理
沿革情報
平成25年10月1日 訓令第18号
令和3年1月18日 訓令第1号
令和5年3月23日 訓令第6号