○枚方寝屋川消防組合危険物等事故処理要綱
平成27年10月5日
要綱第13号
(趣旨)
第1条 この要綱は、枚方寝屋川消防組合危険物等及び産業保安に係る事故処理規程(平成25年枚方寝屋川消防組合訓令第17号。以下「規程」という。)の運用について必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この要綱における用語の意義は、規程の定めるところによるものとする。
(事故の分類)
第3条 危険物等事故の分類は、次に掲げる事故をいう。
(1) 指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設で発生した火災、爆発、漏えい、破損等の事故
(2) 危険物の移送及び運搬中に発生した火災、爆発、漏えい等の事故
(3) 枚方寝屋川消防組合火災予防条例(昭和37年枚方寝屋川消防組合条例第44号。)第47条に基づく施設で発生した火災、爆発、漏えい等の事故
(4) 灯油の誤販売事故
(5) その他予防部長又は署長が事故処理を必要と認めた事故
3 予防部長及び署長は、必要に応じ、事故処理に関し相互に応援するように努めなければならない。
(事故調査)
第5条 事故の調査は、別表に掲げる項目のうち事故等の状況に応じて必要なものとし、物的調査と人的調査を併せて相関的に行わなければならない。
2 消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第16条の3の2の規定に基づく危険物の流出その他の事故(火災を除く。)であって火災が発生するおそれのあったものの原因の調査については、枚方寝屋川消防組合危険物流出等事故原因調査規程(平成25年枚方寝屋川消防組合訓令第18号)によること。
3 灯油の誤販売事故については、この要綱に定めるもののほか、灯油誤販売事故対応マニュアルによること。
4 消防長は、法第35条の3の2第1項の規定に基づき、消防庁長官に火災の原因の調査を求めることができる。
5 規程第4条第1項ただし書の別に定める場合は、軽微な事故であって人的被害がなく現地調査の必要がないと認められる場合とする。
(応急の措置及び立入検査)
第6条 予防部長又は署長は、規程第5条の規定により、発生した危険物等事故について、関係者に対し、事故の拡大、拡散防止のための必要な指示をするとともに、応急の措置を講ずるものとする。
2 消防長は、発生した危険物等事故について応急の措置を講じていないと認めるときは、法第16条の3第3項の規定に基づき、関係者に対し応急の措置を命ずるものとする。
3 消防長は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、法第12条の3第1項の規定に基づく緊急の措置を命ずるものとする。
4 予防部長又は署長は、事故処理等のため必要に応じ、保安課員又は予防課員に当該事故現場及びその他関係のある場所の立入検査を行わせるものとする。
5 危険物等事故に係る法令違反があるときは、枚方寝屋川消防組合違反処理規程(平成24年枚方寝屋川消防組合訓令第4号)に基づき処理するものとする。
(事故即報)
第7条 消防長は、事故等が発生したときは、規程第7条第1項の規定により、必要に応じ、近隣の消防本部、両市防災機関等へ即報を行うものとする。
2 予防部長又は署長は、事故等を覚知したときは、事故の概要について、危険物等事故即報(危故様式第1号又は危故様式第1号の2)により消防長に即報するものとし、必要に応じ図面等の資料を添付するものとする。
(事故報告等)
第8条 予防部長又は署長は、規程第7条第2項の規定により、調査結果、意見等を取りまとめ危険物等事故調査報告書(危故様式第2号又は危故様式第2号の2)により消防長に報告するものとする。
(国等への報告)
第9条 消防長は、消防組織法(昭和22年法律第226号)第40条に規定する報告のうち事故即報については、火災・災害等即報要領(昭和59年10月15日消防災第267号)に基づき、情報指令課を通じ行うものとする。
2 消防長は、調査後の報告について、危険物に係る事故及びコンビナート等特別防災区域における事故の報告(平成13年8月19日消防危第85号、消防特第175号)により行うものとする。
(補則)
第10条 この要綱の施行について必要な事項は、別に定める。
附 則
1 この要綱は、平成27年10月5日から施行する。
別表(第5条第1項関係)
概要 | (1)事故発生日時等 | ①事故発生日時 ②発見日時 ③覚知日時 ④鎮圧又は応急措置完了日時 ⑤鎮火又は処理完了日時 | |
(2)気象状況 | ①天気 ②風向及び風速 ③気温及び相対湿度 | ||
(3)発生事業所 | ①名称 ②所在地 ③業態及び事業内容 ④許可又は届出の有無 | ||
原因 | 供述による調査 | (1)供述者 | ①氏名、年齢 ②会社における部署 ③会社に入った年月日 ④会社に入ってからの経歴、化学物質の取扱い経験 ⑤危険物取扱者免状の有無(免状の種類、取得年月日、保安講習受講日) |
(2)作業行程(フロー) | ①原料の種類と数量 ②反応の温度、圧力、時間 ③製品の種類と数量 | ||
(3)原料の入荷先、製品の出荷先及び購入年月日 | |||
(4)事故に関係した設備、装置 | ①通常時の設備等の取扱い状況 ②事故当時の設備等の取扱い状況 ③設備等の作動機構、操作方法 ④設備等の購入時期(更新時期) ⑤設備等の点検状況 ⑥設備等の使用経歴 ⑦設備等の故障、修理状況 ⑧危険物取扱者の立会いの有無 | ||
(5)事故に関係した化学物質 | ①品名又は種類 ②成分、化学式 ③引火点、発火点等の諸物性 ④入荷後の貯蔵、取扱い状況(貯蔵目的、日光、換気等) ⑤作業時の異常の有無、臭気等 | ||
(6)事故発生に至る経緯 | |||
(7)死傷者発生に至る経緯 | |||
(8)緊急措置の状況 | |||
(9)過去における事故例 | |||
原因 | 実況見分による調査 | (1)発生機器及び発生箇所 | |
(2)被害状況 | ①人的被害 ②建築物、設備、化学物質 ③損害額 | ||
(3)事故に関係した設備等 | 形状(寸法)、容量、能力、材質、製造会社名 | ||
(4)配管 | 経路、材質、口径、腐食の有無、配管内の流体の種類、閉鎖の有無 | ||
(5)バルブ | 開閉の状況 | ||
(6)計測器 | 温度計、圧力計、流量計、レベル計等の計器の有無と記録状況 | ||
(7)化学物質 | ①存置状況(種類、量、配置、堆積状況) ②容器表示 | ||
(8)当事者の服装、携帯用具 | |||
(9)爆発時の実況見分 | ①爆発孔の有無 ②爆発により飛散した設備の破片物の位置、重さ、形状等 ③建物及び窓ガラス等の破損状況 | ||
(10)当該事業所の法令違反の有無 | |||
事業所からの提出資料による調査 | (1)事故当時の作業指示書、作業日誌 | ||
(2)通常時の作業標準 | |||
(3)入出荷伝票 | |||
(4)工場配置図、設備配置図 | |||
(5)設備設計図、製造工程図 | |||
(6)定期点検記録表 | |||
実験、鑑定又は引用文献による調査 | (1)再現実験による発火源の可能性の有無 | ||
(2)失火原因に関係した焼き物件等の鑑定 | |||
(3)実験記録、物件等の性質に関する引用文献の有無 | |||
被災影響範囲及び拡大の状況 | 実況見分による発災施設内の状況調査 | (1)発災箇所又は設備の設置箇所の区画の状況 | ①設置状況(構造、防火戸の欠陥) ②区画外に拡大した要因(構造、防火戸の欠陥) |
(2)被災影響拡大の経路 | |||
(3)延焼拡大の要因となった収容物の状況(種類、数量、貯蔵取扱状況等) | |||
実況見分による隣接施設又は事業所外への被災影響拡大状況調査 | (1)拡大経路 | ①延焼(放射、接炎、飛火) ②爆風、飛散 ③流出 ④その他 | |
(2)拡大範囲 | ①延焼距離 ②飛散距離 ③流出範囲 | ||
(3)被災影響を受けた隣接施設等の状況 | ①構造様式 ②発災施設との離隔距離 ③開口部の状況(窓の開閉状況、材質) | ||
実施した防災活動の状況 | 供述による発見状況調査 | (1)発見者 火元対象物との関係(通行人、近隣者、関係者) | |
(2)発見位置 | |||
(3)発見の状況(警報設備の作動状況) | |||
(4)発見時の燃焼状況(炎、煙) | |||
(5)発見後の行動 | |||
供述による通報状況調査 | (1)通報者 | ①事故発見から通報までの状況 ②通報先(事業所の防災センター等・近隣事業所・消防) | |
(2)通報時期 | |||
(3)通報後の行動 | |||
供述による避難状況調査 | (1)報知状況 | ||
(2)避難誘導、救助の状況 | |||
(3)避難時期、経路 | |||
供述による初期消火状況調査 | (1)初期消火の有無 | ||
(2)使用した消火設備、資器材 | |||
(3)消火時の延焼状況(炎、煙) | |||
(4)消火設備の作動状況及び消火効果 | |||
