○枚方寝屋川消防組合指令管制運用規程
平成27年6月30日
訓令第18号
(目的)
第1条 この訓令は、枚方寝屋川消防組合警防規程(平成9年枚方寝屋川消防組合訓令第2号。以下「警防規程」という。)第90条に規定する指令管制業務の運用及び管理について必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 情報指令課 指令管制業務を実施する警防部の機関をいう。
(2) 指令管制業務 災害通報の受付、消防部隊等への出動指令、通信統制、初動統制、警防情報・災害情報・医療情報の収集伝達、救急情報サービス及びこれらに付帯する業務をいう。
(3) 災害通報 消防機関が覚知する災害の発生に係る通報をいう。
(4) 消防部隊等 消防部隊及び特定の指揮者の総称をいう。
(5) 救急情報サービス 市民からの問い合わせに対する救急医療情報案内等の業務をいう。
(任務)
第3条 情報指令課各部課長及び情報指令課員(以下「課長等」という。)は、必要な知識及び技術を習得し、指令管制業務を迅速的確に行い、警防業務及び警防活動の円滑な推進を図ることを任務とする。
(任務区分)
第4条 指令管制業務における主な任務区分は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 指揮台 指令台の統制及び消防部隊の管制
(2) 指令台 災害通報の受付、出動指令、警防情報の収集及び関係機関へ連絡、出動隊の管制、救急情報の収集並びに医療情報の収集及び医療機関その他関係機関への連絡
(3) 無線統制台 災害情報の収集伝達並びに通信の統制及び監視
(4) 有事の事務 災害情報及び警防情報の収集並びに前3号以外の災害事案に係る事務
(施設及び機器)
第5条 課長等は、指令管制業務に必要な施設及び機器について、常に適正な管理及び運用を行わなければならない。
(通信施設)
第6条 有線通信施設は、別表第2のとおりとする。
2 無線通信施設の運用等については、枚方寝屋川消防組合消防無線通信運用要綱(平成27年枚方寝屋川消防組合要綱第9号)に定める。
(1) 至急通信 災害発生等緊急を要する際に行う通信で、消防通報用電話、指令電話及び消防無線電話を使用する。
(2) 通常通信 連絡等に際し行う通信で、消防電話及び消防無線電話を使用する。
(消防部隊の把握)
第8条 課長等は、常に消防部隊等の状況を把握し、適正な運用状態を保持しなければならない。
(災害通報の受付)
第9条 課長等は災害の受付に際しては、災害の種別、発生場所、災害の概要、傷病者の状況その他必要な事項を聴取しなければならない。
2 課長等は、枚方市、寝屋川市及び交野市域外に係る災害通報を受付したときは、速やかに当該地域を管轄する消防本部に転送又は通報しなければならない。
3 課長等は、ファクシミリ装置、Eメール119及びネット119により災害を受信したときは、通報者に対し受信した旨を返信しなければならない。
4 課長等は、災害通報を受信し、当該災害に傷病者があるときは、必要に応じて口頭指導に着手しなければならない。この場合において、口頭指導は、枚方寝屋川消防組合救急要請受信時の口頭指導実施規程(平成12年枚方寝屋川消防組合訓令第19号)によるものとする。
(災害通報の覚知種別)
第10条 災害通報の覚知種別は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 火災報知 自動火災報知設備によって覚知したもの
(2) 固 119 固定電話及び119FAXから119番回線によって覚知したもの
(3) 固定加入 一般回線(外線電話)によって覚知したもの
(4) 警察電話 警察機関との専用回線によって覚知したもの
(5) 駆け付け 署所への駆け付け又はオートホンによって覚知したもの
(6) 自己覚知 消防部隊又は消防職員が直接発見し覚知したもの
(7) 遠 119 火災通報装置によって覚知したもの
(8) 遠隔加入 火災通報装置に備え付けの受話器によって覚知したもの
(9) 緊急通報 枚方市及び寝屋川市により設置された緊急通報システム装置によって覚知したもの
(10) 携 119 携帯電話によって覚知したもの
(11) eメール eメール登録者からeメールによって覚知したもの
(12) 転送電話 他市消防本部等からの転送電話によって覚知したもの
(13) P119 IP電話から119番回線によって覚知したもの
(14) 携帯加入 携帯電話の一般回線(外線電話)によって覚知したもの
(15) ネット119 ネット119の登録者から、インターネットによって覚知したもの
(16) その他 前各号に掲げるもの以外の方法によって覚知したもの
(出動指令)
第11条 課長等は、災害通報を覚知したときは、迅速かつ的確に出動指令を送出しなければならない。
2 出動指令の種別及び基準は、警防規程第53条第1項の規定のとおりとする。
3 出動指令は、消防情報システムの指令系システムにより、該当する署所及び消防部隊等に対し出動トーン及び音声合成による音声により、予告指令、出動指令の順で行うものとする。
4 前項に規定する予告指令は、火災指令及び救助指令について行うものとする。
5 出動指令を行ったときは、同時に指令系システムの自動出動指定装置により自動選別された消防部隊等に対し、指令情報を車載端末装置に表示するとともに、各署所に設置された車両表示盤に出動車両名を表示するものとする。
(特命出動指令)
第12条 警防規程第54条第5号に規定する特命出動に係る出動については、次に掲げるとおりとする。
(1) 課長等は、現場最高指揮者から消防部隊等の増強要請があったときは、必要な消防部隊等を選定して特命出動を指令しなければならない。
(2) 課長等は、災害通報時の状況により必要な消防部隊等を選定して特命出動を指令することができるものとする。
(進駐指令)
第13条 課長等は、警防規程第49条の規定に基づき、災害発生のため本消防組合管内の消防力に低下が生じている場合は、進駐指令を行い、小隊の緊急配備を行うものとする。
(応援出動指令)
第14条 課長等は、次の各号に掲げる協定等に基づき、応援出動に係る出動指令を行うものとする。
(1) 大阪府下広域消防相互応援協定
(2) 大阪府北ブロック相互応援協定
(3) 枚方市、八幡市、枚方寝屋川消防組合相互応援協定
(4) 枚方市、枚方寝屋川消防組合、京田辺市相互応援協定
(9) 消防組織法(昭和22年法律第226号)第44条に基づく緊急消防援助隊の応援
(10) 枚方寝屋川消防組合及び交野市との間における救急自動車及びはしご付消防自動車の出動に関する協定
(11) 上記以外の協定等によるもの
(引揚)
第15条 災害出動した各小隊の引揚げは、次の各号に掲げるときに行うものとし、速やかに動態登録(引揚)を行うものとする。
(1) 途中引揚げの指示を受けたとき。
(2) 現場最高指揮者の引揚げの指示を受け、徴収作業が完了したとき。
(3) 消防小隊が事案処理を完了したとき。
(4) 救急小隊が不搬送を確認したとき。
(5) 救急小隊が搬送病院から引き揚げるとき。ただし、車両消毒等が必要な場合を除く。
(6) 救急小隊が管外の搬送病院から引き揚げる際は、本消防組合管内に至ったとき。
(指令以外の災害の措置)
第16条 課長等は、災害現場に出動中の消防部隊等から指令以外の災害発生の即報を受信したときは、災害の規模及び災害現場付近にある消防部隊の状況を考慮して、速やかに当該消防部隊等への必要な指示又は他の消防部隊等への出動指令等、適切な措置をとらなければならない。
(指揮命令の伝達)
第17条 課長等は、現場指揮本部等の警防活動上の指揮命令を関係のある消防部隊等に周知徹底しなければならない。
(災害情報の収集伝達)
第18条 課長等は、災害通報又は消防部隊等からの即報により災害情報の収集に努め、警防活動上必要な情報については、警防部長に報告するとともに、消防部隊等に伝達しなければならない。
(警防情報の収集伝達)
第19条 課長等は、消防部隊の運用並びに消防、救助及び救急活動(以下「消防活動等」という。)に関係のある警防情報の収集に努め、必要な情報については、警防部長に報告するとともに、関係のある部署長に伝達しなければならない。
(医療情報の収集伝達)
第20条 課長等は、救急小隊の運用及び市民への情報提供のため、大阪府救急・災害医療情報システム及び救急安心センターおおさか等を活用し、医療機関の診療に関する情報(以下「医療情報」という。)を収集するとともに、医療情報の問合せに適正な対応を図るものとする。
2 前項の規定により収集した医療情報は、必要に応じ救急小隊に伝達するものとする。
(気象情報等の収集伝達)
第21条 課長等は、消防部隊の運用、消防活動等に必要な気象情報及び地震情報等を把握し、必要に応じて伝達するものとする。
2 課長等は、気象状況が悪化し、火災警報を発令する必要があると認める場合は、その発令に必要な情報を収集し、警防部長に報告するとともに関係のある部署長に伝達しなければならない。
3 課長等は、火災警報が発令された場合は、その情報を各署所及び消防部隊に伝達するとともに、大阪府、枚方市及び寝屋川市の関係課に連絡するものとする。
(大阪府等への即報)
第22条 課長等は、大規模災害等が発生したときは、火災・災害等報告要領(平成15年3月31日消防災第79号、消防情第57号消防庁長官通知)の規定により大阪府及び総務省消防庁へ即報するとともに、その内容を記録しなければならない。
(関係機関への連絡及び出動要請)
第23条 課長等は、必要に応じ災害に関する情報を別表第3に規定する関係機関に連絡するとともに、現場最高指揮者から要請があったとき又は課長等が必要と認めたときは、関係機関へ出動要請を行うものとする。
2 課長等は、淀川水域の水難事故を覚知した場合は、淀川水域水難事故に係る情報連絡体制に基づき対応するものとする。
(報道機関等への情報提供)
第24条 課長等は、枚方寝屋川消防組合広報規程(平成13年枚方寝屋川消防組合訓令第13号)第11条の規定により災害情報等を報道機関等に提供しなければならない。
(1) 非常警備体制の把握
(2) 通信統制
(3) 災害情報の収集
(4) 関係機関への連絡
(5) 前各号に掲げるもののほか、必要な事項
(特異事象時の警戒)
第26条 課長等は、特異事象が発生した場合は、枚方寝屋川消防組合警防規程運用要綱(平成27年枚方寝屋川消防組合要綱第5号)第32条の規定に基づき警戒を実施するものとする。
(非常招集の伝達)
第27条 課長は、非常招集が実施された場合は、警防規程第104条の規定に基づき職員等への伝達を実施するものとする。
(1) データ通信
ア 指令情報の送信
イ 消防情報システム支援系データの送受信
ウ 雨量データの送受信
エ 車両動態データの送受信
オ インターネット回線によるメール等の送受信
(2) 受令装置電話通信
ア 一斉指令 一斉群に登録されている指令回線に同時に行う指令
イ 群指令 署別、小隊別に登録されている指令回線に行う指令
ウ 部呼指令 個別の指令回線に行う指令
(1) 非常警備が発令されたときは、無線通信による通常通信を禁止する。
(2) 火災発生時は、無線通信による通常通信を禁止する。
(3) 前2号以外の場合で、消防通信が輻輳し、警防活動上支障があると認めるときは、通信の種別、回線を選定し、通常通信を抑制し、又は禁止する。
2 課長等は、災害状況の推移により通信統制の必要がなくなったと認めるときは、通信統制を解除しなければならない。
(通信機器障害時の措置)
第30条 消防部隊等は、消防無線電話の障害を確認したときは、情報指令課に報告するとともに有線電話及びその他の通信手段を確保するものとする。
2 消防部隊等は、有線電話の障害を確認したときは、情報指令課に報告するとともに消防無線電話及びその他の通信手段を確保するものとする。
3 課長等は、消防部隊の運用に必要があると認めるときは、通信統制を行うものとする。
4 課長等は、通信機器の障害状況を各署所及び消防部隊等に連絡するものとする。
(受令装置の障害)
第31条 受令装置に障害が発生したときの出動指令等は、無線指令によるものとするほか、消防無線電話、消防電話等によるものとする。
(無線の輻輳)
第32条 火災等が同時に多発し、通信に輻輳が生じた場合は、活動波の指定運用によるほか、加入電話、携帯電話等によるものとする。
(消防通報用電話の切り替え)
第33条 消防通報用電話に障害が発生し、その受信を各消防署の予備回線に切り替えて行う場合は、無線通信及び一斉放送で各消防署に指示するものとする。
(逆探知)
第34条 課長等は、携帯電話からの災害通報の受信時に、通報内容が不明瞭のまま通報者が切断したときは、逆信号を送ると同時に携帯電話会社に逆探知の依頼をするものとする。
(記録)
第35条 課長等は、指令管制業務に必要な記録を作成し、災害通報、災害情報等を整理し、記録を明確にしておかなければならない。
2 災害等の通信内容は長時間録音装置に収録するものとし、長時間録音装置のデータの保存年限は3年とする。
(準用)
第36条 交野市内で発生した災害等の指令管制業務については、枚方寝屋川消防組合と交野市との間における消防通信指令業務の委託に関する規約(平成27年7月6日告示)等の規定によるもののほか、この訓令を準用するものとし、その他必要な事項は別に定める。
(委任)
第37条 この訓令に定めるもののほか、必要な事項は、警防部長が別に定める。
附則
この訓令は、平成27年7月1日から施行する。
別表第1(第5条関係)
装置名 | 機能概要 | |
指令装置 | 指令台 | 自動出動指定装置、地図等検索装置、多目的情報装置等を搭載し受付から指令までの操作を行う。 |
無線統制台 | 無線交信の集中制御、統制を行う。(指令台機能含む。) | |
指揮台 | 各指令台の統制、消防部隊の管制を行う。(指令台機能含む。) | |
自動出動指定装置 | 災害種別、災害点を検索し隊編成等を行う。 | |
地図等検索装置 | 災害点等の検索を行う。 | |
長時間録音装置 | 指令台等の通話、更新内容の録音を行う。 | |
指令制御装置 | 119番回線、出動指令、無線回線等の接続を行う。 | |
非常用指令設備 | 指令制御装置のバックアップを行う。 | |
携帯電話・IP電話受付転送装置 | 他市消防本部との転送及び転送受付等を行う。 | |
表示盤 | 車両運用・支援情報表示盤 | 車両運用状況、支援情報等各種情報の表示を行う。 |
多目的表示盤 | 病院、気象、車両動態、映像情報等の表示を行う。 | |
指令伝送装置 | 出動指令等の情報を署所への伝送を行う。 | |
気象情報収集装置 | 気象情報の収集を行う。 | |
災害状況等自動案内装置 | 発生している災害状況を音声で案内を行う。 | |
順次指令装置 | 発生した災害を登録者に電話メールで伝達を行う。 | |
統合型位置情報通知装置 | 119番で入電した電話からの位置情報の取得を行う。 | |
消防用高所監視装置 | 高所カメラで取得した映像情報の表示を行う。 | |
システム監視装置 | システムの障害を監視し多目的表示盤に表示を行う。 | |
119FAX受信装置 | FAXによる119番通報の受付を行う。 | |
救急医療情報収集装置 | 大阪府医療情報センターの情報の収集を行う。 | |
Eメール119受信装置 | メールによる119番通報の受付を行う。 | |
ネット119受信装置 | インターネットを経由して119番通報の受付を行う。 | |
災害情報伝送システム | 関係機関への映像情報の伝送を行う。 | |
動画伝送システム | 災害現場等の映像情報を指令センターへ伝送する。 | |
Em―Net受信装置 | 緊急情報ネットワークシステムからの情報を受信する。 | |
ヘリTV伝送システム | ヘリコプターからの映像を指令センターへ伝送する。 | |
J―ALERT受信装置 | 消防庁から配信された各種情報の受信を行う。 | |
緊急地震速報受信装置 | 緊急地震速報を受信し自動で各署所への伝達を行う。 | |
緊急通報接続装置 | 緊急通報システムからの通報の接続を行う。 |
別表第2(第6条関係)
種別 | 設置場所 | |
有線通信施設 | 1 消防通報用電話(119) 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)に基づき総務大臣が定めた局番なしの「119番」で消防本部等へ災害を通報する電話をいう。 | 情報指令課 消防署及び消防出張所(以下「署所」という。) |
2 119番非常切替設備(署落し) 回線障害その他の事由により消防本部で消防通報用電話を受信できなくなったときに、消防署で当該消防通報用電話を受信する設備をいう。 | 消防署 | |
3 受令装置 情報指令課と署所間の直通電話をいう。 | 署所 | |
4 消防専用電話 情報指令課と関係機関等との災害情報交換に使用する直通電話をいう。 | 情報指令課 関係機関(警察、関西電力、大阪ガス、ネクスコ) | |
5 消防電話(内線) 消防専用回線で消防本部、情報指令課、署所及び関係市役所を結ぶ電話をいう。 | 消防本部 情報指令課 署所 枚方市役所及び寝屋川市役所 | |
6 加入電話 一般加入回線に接続されている電話をいう。 | 消防本部 情報指令課 署所 |
別表第3(第23条関係)
関係機関名 | 災害内容 |
消防相互応援協定締結消防本部 | 各応援協定に基づく応援が必要な災害 |
大阪市消防局(代表消防本部) | 大阪府下広域応援協定及び航空応援協定に基づく応援が必要な災害 |
枚方市危機管理室又は寝屋川市危機管理室 | 火災、その他枚方市又は寝屋川市の関係施設における災害 |
枚方警察署・寝屋川警察署・交野警察署 | 火災、交通、自損、加害、労災の各事故及び保護要件に該当するもの、その他必要事案 |
大阪ガス株式会社 | 火災、ガス漏れ警戒、その他必要事案 |
関西電力株式会社 | 火災、その他必要事案 |
国土交通省大阪国道工事事務所 | 国道での油流出等の事故 |
大阪府民センター・大阪府枚方土木事務所 | 府道での油流出等の事故 |
枚方市・寝屋川市(道路管理課) | 市道での油流出等の事故 |
枚方市・寝屋川市(下水道部) | 下水道に係る災害時又はその恐れがあるとき。 |
枚方市水道局・寝屋川市水道局 | 火災及び水道管事故 |
大阪府健康医療部薬務課 | 毒物、劇物に係る災害 |
大阪府健康医療部保健医療室医療対策課 | 感染症 |
大阪府救急医療情報センター 大阪府赤十字血液センター | 集団災害 |
枚方市医師会・寝屋川市医師会 枚方市保健所・寝屋川市保健所 | 集団災害(感染症含む。) |
JR列車区又は京阪電鉄指令室 | 鉄道事故 |
ネクスコ | 第二京阪道路での災害 |